2024-01-01から1年間の記事一覧
新世界より 全3冊合本版 (講談社文庫)作者:貴志祐介講談社Amazon以前に「悪の教典」を本とコミカライズで読んだ記憶がある。 誰かに勧められたので読んでみた。面白い。舞台はいつの時代かわからない。文明は大きく後退しているけれども未来の話のようだ。…
「世界の終わり」の地政学 野蛮化する経済の悲劇を読む 上(集英社シリーズ・コモン) (集英社学芸単行本)作者:ピーター・ゼイハン集英社Amazon「世界の終わり」の地政学 野蛮化する経済の悲劇を読む 下(集英社シリーズ・コモン) (集英社学芸単行本)作者:…
漫才過剰考察 漫才過剰考察作者:令和ロマン・髙比良くるま辰巳出版Amazonあるポッドキャストでこの本を取り上げられていたので、何の気なしに読んでみたら面白かった。 著者は令和ロマンの高比良くるまさん。実はここ最近の僕はお笑いへの興味をやや失ってお…
軍事ものの新書二つ。 『サイバースペースの地政学』 サイバースペースの地政学 (ハヤカワ新書)作者:小宮山 功一朗,小泉 悠早川書房Amazonウクライナ関連でも有名になった小泉悠さん、小宮山功一郎氏の共著。 「サイバー犯罪」とか「サイバー攻撃」とか漠然…
貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える作者:アビジット・V・バナジー,エスター・デュフロみすず書房Amazon途上国への援助・開発に携わっている方々の知見をまとめたもの。 貧困研究は、ここまで進んだ! 食糧、医療、教育、家族、マイクロ…
悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書 549)作者:仲正 昌樹NHK出版Amazon 世界を席巻する排外主義的思潮や強権的政治手法といかに向き合うべきか? ナチスによるユダヤ人大量虐殺の問題に取り組んだハンナ・アーレントの著作がヒントになる…
T・Pぼん(タイムパトロールぼん)(1) (ビッグコミックススペシャル)作者:藤子・F・不二雄小学館Amazon藤子不二雄F先生のTP(タイムパトロール)古典的名作だという話は有名であったが、僕はそこまでの藤子不二雄フリークではないので、多分漫画喫茶と…
近畿地方のある場所について作者:背筋KADOKAWAAmazonちょっと前に変な家を読み、 halfboileddoc.hatenablog.comその続編としての「変な絵」を紹介されたので読んだわけだが、そのついでで、「変な家2」も読んだ。変な絵作者:雨穴双葉社Amazon変な家2 ~11の…
認知症関係の漫画。作者はヘルパーさんとかしていて、認知症の方と接している経験の豊富な方。 経験豊富なだけに、認知症の描き方も、かなりリアルに思われた。 (同じように認知症の人と接する自分としては)。消えていく家族の顔 ~現役ヘルパーが描く認知…
三陸海岸大津波 (文春文庫)作者:吉村 昭文藝春秋Amazonこれは東日本大震災とかより前、昭和35年に、三陸海岸大津波が起こった際に書かれた本。 明治29年、昭和8年、そして昭和35年。青森・岩手・宮城の三県にわたる三陸沿岸は三たび大津波に襲われ、人々に悲…
ローマ帝国の崩壊:文明が終わるということ作者:ブライアン・ウォード=パーキンズ白水社Amazonローマ帝国。古代の文明で、共和政・帝政と移行したあと黄金時代から混迷の時代を経て、崩壊する。 ローマ帝国の崩壊のあとはおよそ1000年の「暗黒の中世」を経て…
還暦不行届作者:安野モヨコ祥伝社Amazonずいぶん前に「監督不行届」も読んでいた。 halfboileddoc.hatenablog.comもう20年近く後の、後日譚。監督も還暦を迎えた夫婦の生活やいかに……!ということだが、この間のお二人の漫画家としてのキャリアや(2008年か…
いかんいかん、ちょっと気を抜くとすぐ更新が途絶えてしまう。 きみのお金は誰のため きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」【読者が選ぶビジネス書グランプリ2024 総合グランプリ「第1位」受賞作】作者:田内 学東洋経済…
銀漢の賦 (文春文庫)作者:葉室 麟文藝春秋Amazon 寛政期、西国の小藩である月ヶ瀬藩の郡方・日下部源五と、名家老と謳われ、幕閣にまで名声が届いている松浦将監。 幼なじみで、同じ剣術道場に通っていた二人は、ある出来事を境に、進む道が分かれ、絶縁状態…
新しい封建制がやってくる―グローバル中流階級への警告作者:ジョエル コトキン東洋経済新報社Amazonこ、これはみんな読んだほうがいいかもしれない。と思った。話をまとめると、 第二次世界大戦後は流動性の高い時代だった。 そして冷戦で社会主義が倒れたあ…
清須会議作者:三谷幸喜幻冬舎Amazonずいぶん前に映画化されたもので、脚本三谷幸喜本人のノベライズ。芥川の『枯野抄』的な感じを2000年代のドラマにありがちな心の中の心情吐露多めに、そしてコミカルさ多めに仕上げたらこうなるのかな、という感じだ。映画…
「指示通り」ができない人たち (日経プレミアシリーズ)作者:榎本博明日経BPAmazon 自分の力量に気づかず、「できる人」のようにふるまって迷惑をかける人、取引先に一緒に行っても、まったく違う理解で物事を進めてしまう人、状況の変化に対応できず、すぐに…
劒岳〈点の記〉 (文春文庫)作者:新田 次郎文藝春秋Amazon八甲田山死の彷徨(新潮文庫)作者:新田次郎新潮社Amazon昭和の作家、新田次郎の代表作の一つ、『剱岳』だいぶ前に買ったんだけど*1積読になっていたので、改めて読んでみた。最近山歩きとかしている…
存在の耐えられない愛おしさ作者:伊藤 亜和KADOKAWAAmazonジェーン・スーさんオススメだったので*1、読んでみた。 キラキラの20代女性のエッセイ、ということになるのだが、 なんといいますか、ひどく落ち着いている語りかけが、かなり気になった。ご本人は…
なんかの縁で、上出遼平の本を固めて読んでみた。(なにがきっかけだったかな?)大橋未歩アナの旦那。もとテレビマン。高僧のような浮世離れした風貌。私は「ハイパーハードボイルドグルメリポート」も見てなかったのだが。 「ハイパーハードボイルドグルメ…
BLANK PAGE 空っぽを満たす旅 (文春e-book)作者:内田 也哉子文藝春秋Amazon樹木希林の娘さん、内田也哉子さん。モッくんこと本木雅弘さんと結婚した人ですね。お母様の樹木希林さんが亡くなられて、ぽっかりとした気持ちを埋めるために、 樹木希林さんと関係…
だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書)作者:内田樹マガジンハウスAmazon 内田樹氏もいつの日か重鎮、のような存在。 教授も退官して、凱風館での活動を中心に、自由闊達な感じではある。 内田氏が、体系的に書いたわけではない文を集成したもの。…
いつかたこぶねになる日作者:小津夜景素粒社Amazon去年読んだ。 著者は俳句をする、海外(南フランス)に住んでいる小津夜景という方。 日々の生活の素描と、それと対比するかのように、古今東西の漢詩をとりあげて、その現代訳を紹介している、という体裁の…
ちょっと前のローソンの弁当のタイトル風にいってみましたけど…… 2023年もっともインパクトのあった本の一つ。ウンコロジー入門作者:伊沢正名偕成社Amazonくう・ねる・のぐそ―自然に「愛」のお返しを作者:伊沢 正名山と溪谷社Amazonちょっと前に「ウンコ漢字…
最近iPad ProのM4が新型発売された。 www.apple.comその圧倒的薄さとスペックに驚嘆させられたが、円安もあってかその値段にも瞠目させられた。iPhoneよりも薄いっていうのはかなりアピールポイントだよなー…買っちゃおうかな…とも思ったが、しかし今自分が…
平安貴族列伝 (SYNCHRONOUS BOOKS)作者:倉本一宏JBpressAmazon何かのWebで紹介されてて読んだ。 面白かった。 著者のひかえめな小人物自虐コメントにクスリとさせられるけど、若くない自分も大いに共感するなあ。Google Mapが出た時、地図の縮尺を連続的に変…
トラクターの世界史 - 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち (中公新書 2451)作者:藤原 辰史中央公論新社Amazonなんかで取り上げられていた本。読んでみたら面白かった。 『トラクター』という農作業の道具を通じて、世界史を切り取った本。大きな流れは二つ。 …
なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)作者:三宅香帆集英社Amazon以前に三宅香帆さんの本は何冊か読んだ。 京大出身の本の好きな人。 デビューから一貫して文学や本に関する著作が多く、本の世界の人だと思っていた。今回の本もそういう感じか…
かすり傷も痛かった (幻冬舎単行本)作者:箕輪厚介幻冬舎Amazon怪獣人間の手懐け方作者:箕輪厚介クロスメディア・パブリッシング(インプレス)Amazon以前Newspickとかでイキリ散らかしていた箕輪厚介氏 その後、セクハラやらなんやらで文春砲をくらい、仕事…
うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真 (一般書)作者:幡野 広志ポプラ社Amazon非常に読みやすい写真の入門書一般的な写真の教科書とは違って、写真を撮るときの心構え、とでもいうべき本。 HowではなくWhy、なのかもしれない。教則本ではなく、写真を撮る…