半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

銀漢の賦

銀漢の賦 (文春文庫)作者:葉室 麟文藝春秋Amazon 寛政期、西国の小藩である月ヶ瀬藩の郡方・日下部源五と、名家老と謳われ、幕閣にまで名声が届いている松浦将監。 幼なじみで、同じ剣術道場に通っていた二人は、ある出来事を境に、進む道が分かれ、絶縁状態…

『新しい封建制がやってくる』

新しい封建制がやってくる―グローバル中流階級への警告作者:ジョエル コトキン東洋経済新報社Amazonこ、これはみんな読んだほうがいいかもしれない。と思った。話をまとめると、 第二次世界大戦後は流動性の高い時代だった。 そして冷戦で社会主義が倒れたあ…

清須会議

清須会議作者:三谷幸喜幻冬舎Amazonずいぶん前に映画化されたもので、脚本三谷幸喜本人のノベライズ。芥川の『枯野抄』的な感じを2000年代のドラマにありがちな心の中の心情吐露多めに、そしてコミカルさ多めに仕上げたらこうなるのかな、という感じだ。映画…

『「指示通り」ができない人たち』榎本博明

「指示通り」ができない人たち (日経プレミアシリーズ)作者:榎本博明日経BPAmazon 自分の力量に気づかず、「できる人」のようにふるまって迷惑をかける人、取引先に一緒に行っても、まったく違う理解で物事を進めてしまう人、状況の変化に対応できず、すぐに…

新田次郎『剱岳 点の記』

劒岳〈点の記〉 (文春文庫)作者:新田 次郎文藝春秋Amazon八甲田山死の彷徨(新潮文庫)作者:新田次郎新潮社Amazon昭和の作家、新田次郎の代表作の一つ、『剱岳』だいぶ前に買ったんだけど*1積読になっていたので、改めて読んでみた。最近山歩きとかしている…

『存在の耐えられない愛おしさ』伊藤亜和

存在の耐えられない愛おしさ作者:伊藤 亜和KADOKAWAAmazonジェーン・スーさんオススメだったので*1、読んでみた。 キラキラの20代女性のエッセイ、ということになるのだが、 なんといいますか、ひどく落ち着いている語りかけが、かなり気になった。ご本人は…

上出遼平三冊『ハイパーハードボイルドグルメリポート』『ありえない仕事術』『歩山録』

なんかの縁で、上出遼平の本を固めて読んでみた。(なにがきっかけだったかな?)大橋未歩アナの旦那。もとテレビマン。高僧のような浮世離れした風貌。私は「ハイパーハードボイルドグルメリポート」も見てなかったのだが。 「ハイパーハードボイルドグルメ…

『BLANK PAGE』内田也哉子

BLANK PAGE 空っぽを満たす旅 (文春e-book)作者:内田 也哉子文藝春秋Amazon樹木希林の娘さん、内田也哉子さん。モッくんこと本木雅弘さんと結婚した人ですね。お母様の樹木希林さんが亡くなられて、ぽっかりとした気持ちを埋めるために、 樹木希林さんと関係…

「だからあれほど言ったのに」内田樹

だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書)作者:内田樹マガジンハウスAmazon 内田樹氏もいつの日か重鎮、のような存在。 教授も退官して、凱風館での活動を中心に、自由闊達な感じではある。 内田氏が、体系的に書いたわけではない文を集成したもの。…

頭のいい美人にあこがれる『いつかたこぶねになる日』『卵一個ぶんのお祝い』

いつかたこぶねになる日作者:小津夜景素粒社Amazon去年読んだ。 著者は俳句をする、海外(南フランス)に住んでいる小津夜景という方。 日々の生活の素描と、それと対比するかのように、古今東西の漢詩をとりあげて、その現代訳を紹介している、という体裁の…

ウンコ!ウンコ!ウンコ!野糞王伊沢さん二冊

ちょっと前のローソンの弁当のタイトル風にいってみましたけど…… 2023年もっともインパクトのあった本の一つ。ウンコロジー入門作者:伊沢正名偕成社Amazonくう・ねる・のぐそ―自然に「愛」のお返しを作者:伊沢 正名山と溪谷社Amazonちょっと前に「ウンコ漢字…

枯れた技術のKindle Paperwhite

最近iPad ProのM4が新型発売された。 www.apple.comその圧倒的薄さとスペックに驚嘆させられたが、円安もあってかその値段にも瞠目させられた。iPhoneよりも薄いっていうのはかなりアピールポイントだよなー…買っちゃおうかな…とも思ったが、しかし今自分が…

誰かには自分と同じ人生があることを実感させられる『平安貴族列伝』

平安貴族列伝 (SYNCHRONOUS BOOKS)作者:倉本一宏JBpressAmazon何かのWebで紹介されてて読んだ。 面白かった。 著者のひかえめな小人物自虐コメントにクスリとさせられるけど、若くない自分も大いに共感するなあ。Google Mapが出た時、地図の縮尺を連続的に変…

これぞ新書の鑑『トラクターの世界史』

トラクターの世界史 - 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち (中公新書 2451)作者:藤原 辰史中央公論新社Amazonなんかで取り上げられていた本。読んでみたら面白かった。 『トラクター』という農作業の道具を通じて、世界史を切り取った本。大きな流れは二つ。 …

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆

なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)作者:三宅香帆集英社Amazon以前に三宅香帆さんの本は何冊か読んだ。 京大出身の本の好きな人。 デビューから一貫して文学や本に関する著作が多く、本の世界の人だと思っていた。今回の本もそういう感じか…

箕輪本二冊『かすり傷も痛かった』『怪獣人間の手懐け方』

かすり傷も痛かった (幻冬舎単行本)作者:箕輪厚介幻冬舎Amazon怪獣人間の手懐け方作者:箕輪厚介クロスメディア・パブリッシング(インプレス)Amazon以前Newspickとかでイキリ散らかしていた箕輪厚介氏 その後、セクハラやらなんやらで文春砲をくらい、仕事…

『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』幡野広志

うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真 (一般書)作者:幡野 広志ポプラ社Amazon非常に読みやすい写真の入門書一般的な写真の教科書とは違って、写真を撮るときの心構え、とでもいうべき本。 HowではなくWhy、なのかもしれない。教則本ではなく、写真を撮る…

『世界は経営でできている』岩尾俊兵

世界は経営でできている (講談社現代新書)作者:岩尾俊兵講談社Amazon なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか? 張り紙が増えると事故も増える理由とは? 飲み残しを置き忘れる夫は経営が下手?仕事から家庭、恋愛、勉強、老後、科学、歴史まで、 人生が…

田辺剛 ラヴクラフト傑作集

インスマスの影 1 ラヴクラフト傑作集 (ビームコミックス)作者:田辺 剛KADOKAWAAmazon魔犬 ラヴクラフト傑作集 (ビームコミックス)作者:田辺 剛KADOKAWAAmazon最近Amazonでセールで一冊99円だったのでまとめて読んでみた。 高校生の時の自分のころ、TRPGブー…

日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか

日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)作者:内山 節講談社Amazon最近Podcastとか聴いているのである。なんせ山とかを延々長時間歩いていると音楽ばっかりだと飽きるから。 そんなPodcastのはみ出し話で取り上げられていたので読んで…

世界金玉考

久しぶりの更新がこの本だとは…世界金玉考作者:西川清史左右社*Amazon岡田斗司夫チャンネルとかで紹介されていたので読んでみた。まあ、いってみれば金玉というものにフォーカスをあてて、比較解剖学的、人類学的、歴史学的な考察を繰り広げた痛快な書、とい…

2023買って良かったもの【書籍編】

なんか今年の後半以降、オフタイムや休日はいそいそと外に体を動かし、帰宅即バタンキュー生活になった。 おかげで、心身の健全性については大幅に改善されたものの、読む本と読んだ本のアウトプットは大幅に減ってしまった。 おそらく、読んだ本のアウトプ…

2023年買ってよかったもの【モノ編】

ちなみに去年はこんな感じでした。 halfboileddoc.hatenablog.com 健康 一昨年から血圧の薬を始めています。CCB/ARB/TZの三剤でがっつり下げていたのだけれど、今年の検診でCrは1.39とかなり悪化したのでARB/TZを一時中止する。すると血圧はやっぱり高い。 …

将太の寿司

前回エントリの「寿エンパイア」の後、気がつくと1ヶ月以上空いちゃったなあ。【極!合本シリーズ】 将太の寿司1巻作者:寺沢大介ライツコーポレーションAmazon寿エンパイアの読み味で、過去の寿司漫画の金字塔、「将太の寿司」を思い、読み返していた。 実…

寿エンパイア

寿エンパイア(1) (裏少年サンデーコミックス)作者:せきやてつじ小学館AmazonSNSの漫画紹介で、まんまと釣られ読んでしまった。 https://twitter.com/QJOqv3oIwaeisUy/status/1724441258100175154ハワイで海洋生物の研究をしている若い男の子涌吾が主人公…

『ニーティングライフ』

NEETING LIFE ニーティング・ライフ 上 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)作者:筒井哲也集英社AmazonNEETING LIFE ニーティング・ライフ 下 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)作者:筒井哲也集英社AmazonWebとかSNSでCMをみて、続きが見たくなり読んでみる…

イケズな東京

イケズな東京-150年の良い遺産、ダメな遺産 (中公新書ラクレ 751)作者:井上 章一,青木 淳中央公論新社Amazonちょっと前に中野信子女史が書いていた京都の悪口本を読んだが、その流れでこの本に。 halfboileddoc.hatenablog.com(直接は関係ないけれども京都…

『徹底抗戦都市モスクワ』小泉悠著

徹底抗戦都市モスクワ 戦い続ける街を行く!作者:小泉悠,速水螺旋人ホビージャパンAmazonこれ、多分オタキング岡田斗司夫チャンネルで紹介されたので読んでみた。ウクライナ戦争関連の著書で名を馳せた小泉悠さんが、無名の時の本(なんだと思う)。なので、…

ローテクに戻る Apple Watchのリストバンド

だいぶ前から 時計はApple Watchを愛用している。(なんとSeries 1からみたいだね。1→4→7→9) halfboileddoc.hatenablog.comこの前久しぶりに 会合とか学会とかあって、高級腕時計をつけたりもしたが、まあ誰も気づいてくれなかった*1。 Apple Watchの体活動…

『辺境の老騎士 バルド・ローエン』

辺境の老騎士 バルド・ローエン(1) (ヤングマガジンコミックス)作者:支援BIS,菊石森生講談社Amazon「風の谷のナウシカ」の重要なキャラクター「ユパ様」*1のイケおじぶりに憧れた人は少なくあるまい。 老いた登場人物。 まあ言ってみれば、古典的名作…