人類史の中で大きな功績のあった植物を取り上げている本。
どちらかといえば、平易でかなりわかりやすい。
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以前に「反穀物の人類史」や「銃・病原菌・鉄」などを読んでいるので、概略はすんなり入る。
狩猟採集生活から農耕生活への転換は、確かに抱え込む人口が増えたという点では大きな進歩ではあるわけだけれど、
その代償はおおきかった、と思う。人間は穀物を制御すると同時に、自らも家畜化=ドムス化して農耕生活に適応した。
以下、備忘録:
イネ科の植物はガラスの原料にもなる珪素という硬い物質を蓄えて身を守っている。
イネ科植物:成長点の数を次々に増やす
イネ科植物を消化するためには、四つの胃や長く発達した盲腸のような特別な内臓が必要
脱粒性の喪失>農耕が可能になった
コメと大豆の組み合わせは合理的(コメにはアミノ酸のリジンが少ないが、大豆には豊富に含まれる)
イネと小麦では収量が大きく異なる(ヨーロッパの田園風景は広々とした畑が広がって村は点々としか見えないが、考えてみると、村民が暮らしてゆくのにそれだけの畑が必要となった)
コショウとトウガラシは似ても似つかない別の植物
ルイ16世とパルマンティエ男爵の国営農場(盗ませて広まった)
トマトは200年ものあいだ食用とされなかった。
真っ赤なのはトマトだけ(リコピンは純粋に赤い)。りんごは真っ赤というイメージがあるが、実は赤紫色。紫とアントシアニンと橙色のカロチノイドの組み合わせ。
トウモロコシには明確な祖先種でる野生植物がない
織田信長はトウモロコシの花を愛した(絹糸のようなヒゲ部分)