半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

2020年買って良かったもの【書籍編】

#買って良かった2020

モノ編は前日のエントリをどうぞ。
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今年も色々な本を読みました。

いくつかのジャンルについては固め打ちで読みました。
・起業の本
・投資に関する本
・組織の中の人間関係に関する本
行動経済学に関する本
投資と起業の本については、ちょっとまだまとめきれていないので、別に改めて書かせていただきたいと思います。
人間関係については、組織の中での人間関係の軋轢に悩んでいたし、行動経済学については、経営陣の主導する政策が、職員にとって受け取りやすいものか、受け取りにくいものか、というところに改善の余地が大いにあると思ったからなんです。

独学大全

じつはKindle版とリアル書籍と二冊買っています。独学の方法論を網羅的に語り尽くす凄さもありますが、端々に教養が見え隠れするクリスプな箴言に満ちているところも、刺激的でした。できればこの独学大全のエッセンスを自学自習分野に敷衍してみたいと思います。
(まだBlogには書いてない)

畳み人という仕事

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組織での仕事における、名女房役とでもいうべき風呂敷を「広げる人」と「畳む人」。畳む人は大事だと、僕もすごく思う。
こういう人が一人いるだけで、組織は円滑に進む。

大きな嘘の木の下で

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オンデーズの社長の本。組織論・会社論といってもいいが、割と新鮮な驚きがあった。

PEP TALK

部下のやる気を引き出すワンフレーズの言葉がけ

部下のやる気を引き出すワンフレーズの言葉がけ

  • 作者:占部 正尚
  • 発売日: 2017/10/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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PEP TALKも、ユマニチュードと同じく、一つのシステムである。
PEP TALKはビジネス業界では割と知名度があるのかもしれないが、医療介護業界ではそこまで膾炙していない。
これ、きちんと組織内に流行らせたら、接遇とかにしろ変わるかもしれないな。

ユマニチュードは認知症の患者さんに対する介護のコツ、というものだが、敵意を持たれないノンバーバル・コミュニケーションとして普遍性がある。ペップトークは、感情を害することなく内容を伝える技術としての汎用性がある。

山口周 ビジネスの未来(エコノミーとヒューマニティーを取り戻す)

去年に引き続き山口周の著作は数冊読み、どれも印象深かったが、年末に読んだこの本に、非常に感銘を受けた。
またBlogには書いていませんが、今後の自分の生き方の指針となるように思いました。

コロナ(Covid-19, SARS-CoV-2)に関する本

理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!

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今年はコロナの年でした。西浦先生の本、正直タイトルの感じは、想定読者層が違うような気もするんですけれど。
当代一流の科学者の、政治と国策決定の回想記。日本の中枢での意思決定および組織の中で、科学者として正しいと思われることを提案することの難しさを、感じることができる。西浦先生のまっすぐなお人柄、尾身先生のお人柄(尊い!)もうかがいしれる好本。
尾身先生ほんま国民栄誉賞やで……

『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』峰宗太郎・山中浩之

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こちらはばぶ先生こと峰宗太郎先生の本。これは新型コロナ、そしてワクチンとかを一般にわかりやすく説明している対談本。
今わかっていることとわかっていないことが混在しているなかでわかりやすく説明することって、結構難易度の高いことだと思うけど、すげーわかりやすいんです。

その他、カミュ『ペスト』『リウーを待ちながら』『感染症と文明』とか色々読みましたけど、上記二冊が一番ささった。
あ、岩田先生の本とか小林よしのりの本とか読んでないや。

人に頼む技術

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まあ、ジョブズが実践できていたかどうかはともかくとして…この手の洋書は、雰囲気だけの薄い本は少なくて、豊富なエビデンスを例にあげて解説してくれるので、とてもおもしろい。ちょっと読んでて食傷するけど。

鬱屈精神科医、占いにすがる

鬱屈精神科医、占いにすがる

鬱屈精神科医、占いにすがる

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クールでスマートに見えた春日先生が、およそ非科学的とわかっている占いに突撃することで泥臭く自己分析を繰り返し、過去を総括してゆくという、割と古いかさぶたを剥がす痛みのような一冊。なんかもう胸にせまるものがあった。
続編ではお祓いもしているらしいですね。というか、続編、あるのか…確かにこのままで投げっぱなしだもんなあ……

穀物の人類史

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サピエンス全史でも少し触れられていたが、狩猟民族から定住・農耕民族への変化は、定行進化でもなんでもないという話。
「ドムス化」という言葉が鍵となる。この言葉を共有するために、この本を読まれたし。

暴力と不平等の人類史

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かなりの大作であるけれども、ピケティのr>gとこの本、そしてジャレド・ダイヤモンドの『銃・病原菌・鉄』読んでおけば、世界の見方は大幅に変わるのは間違いなし。簡単にいうと、戦争・革命・崩壊・疫病が起こると、人類の格差は減少し、平和な時代には格差が増大する。
あと、今我々が所与のものとしている「累進課税制度」は世界大戦を契機に始まったということだ。
この本の唯一の弱点は5000円以上することかな……

沖縄から貧困がなくならない本当の理由

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沖縄という特殊な地域の話なのかなーと思っていたが、東京と地方の格差論に帰結するのは新鮮な驚きだった。
地元のダメなところと重なるところが結構ある。
理路整然とした本ではないが、めっちゃリアリティがある現場の叫び。

労働者の味方をやめた世界の左派政党

あ、これもBlogに書いてないなあ。「朝日ぎらい」もそうだ。
トランプ、安倍政権、反知性主義と言われるような現在の政権与党のあり方には世界共通な点が多い。
その辺のメカニズムを丁寧に描いている本。

「遅いインターネット」宇野常寛

遅いインターネット (NewsPicks Book)

遅いインターネット (NewsPicks Book)

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時代を切り取る論客宇野氏の現在論。平成は経済も政治も変革を起こそうとして失敗した時代であった。
インターネットは破壊には役立つけれども、創造には現在の形であれば向いていない。
提案も含めて、色々刺激的な本。あー、去年買ったままで『シン・ニホン』読んでないわ!

起業の本と人間関係、組織論はまとめて別で論じてみたい(多分なかなかそうもいかないけど)