半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『定年前、しなくていい5つのこと』

オススメ度 100点
「成仏」は言いたい人いるわ……度 100点

Kindle日替わりセールにて、だったと思う。
新書の中ではあたりの本ではないかと思う。

定年を見据えて、生活を見直しましょうね、という至極まっとうな内容なのだが、肩肘はらずに、しかしやったほうがいいこともきちんと示していて、「ちょうどいい按配」感がある。
今46歳の自分、老後についてはまだまだ考えは及ばないけど、自分の衰えを日に日に痛感するし、日頃高齢者の方を多く診療している身には、リアルではあった。

・老後の2000万貯蓄が必要にはだいぶ誤謬がある
・年金と貯蓄の混同をするな
・まとまった退職金を目にして行動が変わることに要注意
・収入を…と考えるより「支出」を減らす努力をしよう。現役のころの、時間を金でかい、省力化を金で買っていたやり方を、やめよう。
・サラリーマン的な考え方をやめよう(仕事は趣味。強制されないことを楽しむ。)
・男性よりも女性のほうが老後は得意。女性はアウェイの立場でずっとやってきたわけだから。男は定年になって初めて社会がアウェイであることに直面する
・夫「今までは仕事人間だったから」と言いますが、正直いってサラリーマンなんてそれほど大した仕事はしていません。会社人間だっただけ。
・奥さんのほうが遥かにやることがたくさんある。独りよがりにならずになんでも話し合って決めること。(相手の邪魔をせず、相手を尊重する)
・「名もなき家事」をきちんとやろう。
熟年離婚は、経済的なことをいうとあまりプラスにはならない。
・地域社会に出るときの注意(雑巾がけから始める覚悟。ギブファースト。貯蓄より貯信、貯人)
・きちんと仕事を継承しよう(「成仏」しよう)

古代インド哲学の林住期(50-74歳)・遊行期(75歳以降)を意識して生きてみよう、ということであった。

林住期 【五木寛之ノベリスク】

林住期 【五木寛之ノベリスク】

ライフ・シフト (これ積ん読なんだよな…)

人生の後半に至り、若い人とは違う、社会への参加・コミットの仕方があるんだよなあ。と思う。
これは今後10-20年考え続ける必要があるだろうなあ。

「成仏」の仕方。
これは、今の僕の年代から少し上の人くらいに、とても刺さる内容だと思う。


halfboileddoc.hatenablog.com
これは、あまり定見なかったり、老後の生活変化に適応できなく、貧困生活を強いられる高齢者のルポ。
バラ色でない老後はこんな感じです。

halfboileddoc.hatenablog.com
本中では「妻のトリセツ」を取り上げていたけれど、その人が書いた本。
♪男と女の間には〜の、男女間の考え方の違いをつぶさに切り込んだ本。

「入り口」としてちょうどいい本だと思いました。
同年代からもうちょっと上に勧めたいです!