半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『悪魔が教える願いが叶う毒と薬』

オススメ度 90 点
自信たっぷりすぎる言い回しがややきになる度 90点

悪魔が教える 願いが叶う毒と薬

悪魔が教える 願いが叶う毒と薬

一言で言うと「闇落ち薬剤師」。

もうちょっというと、自由闊達に、「薬剤師」の知識と「危険物取り扱い資格」の知識を組み合わせた、という感じ。
現代の錬金術師、裏薬師といえばこんな感じだろうか。

薬剤・化学物質について、割該博な知識があるようで、小括した知識も、TIPSも比較的目新しいものがあった。

以下備忘録;

知っている豆知識も、全然知らない知識とかもあった。
勉強になった…といいたいけど、問題は信頼性だよな。

知っている分野についてはまあまあ嘘ではないな…とは思った。
ただ、際どい知識(そんなに言い切ってはいけないじゃないのか、という)も結構ある。こういう知識については検証できない。
そもそも匿名での著述で、この人の顔が見えない。
文献などの出典も明記されていないのだ。
なので、非常に魅力ある知識の断片ではありながら、自分で一次資料を当たらなければ、「オモテ」の専門家としては他人に伝えてはいけないようには思われた(飲み屋の与太話ならいいだろうが)*1。だからこその「裏知識」ということなのだろう。

甘味料について・虫除けについてなどの章をみれば、簡潔にまとめられていて、参考になると思われる。
基本的には自分でなんとかしたい人、セルフ・メディケーションの人にとっても有効な本だと思う。
NSAIDs、花粉症などについては、薬局で売っている薬、いろいろあるけど弱いのでさっさと医者いけよ、とか、まあ実際的なアドバイスも多かった。
一般医家に喧嘩を売る本ではないのだ。
シモに関する知識は、確認しようがないけど、それなりに需要はありそう。

医療関係者の人たちは一度くらい目を通してもいいんじゃないかと思われる。
これ信じてやっちゃう患者さん、外来にもくるかもしれないし。

*1:だいたいあっていると思われるけど

『僕は僕の書いた小説を知らない』喜友名トト

オススメ度 70点
ラノベらしさ度 100点

僕は僕の書いた小説を知らない (双葉文庫)

僕は僕の書いた小説を知らない (双葉文庫)


短期記憶力を無くしてしまった男が、頑張って小説を書く話。
ひとことで言えば、そういうことになる。

ライトノベルと、非ライトノベルの差が僕にはよくわからない。
まあ、純文学と通俗小説の差もわからないので、どうでもいいっちゃあいいのだが。

短期記憶力を無くしてしまった、というシチュエーションには先行する作品がたくさんある。
博士の愛した数式小川洋子
自他共に認める天才数学者であった博士は80分間しか記憶が維持できない。博士はその中で生活をやりくりするために、服にメモをあちこち貼り付けて生活している。

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

メメント

これは、10分しか記憶が保持できないという主人公という設定に加えて、時系列を逆回しで進行させるという斬新な手法の掛け算によって、類をみない奇作に仕上がっています。なんとなく観た記憶ありますが、ちゃんと考えたことないな。

私の頭の中の消しゴム

これは、韓国の映画ですけれども、若年性アルツハイマーで記憶障害がどんどん進行する人が主人公。
短期記憶力だけの障害ではないのですが、記憶障害で人生が限定される恐怖という意味では、共通点が多いように思う。

この小説は、こうした先行作品があり「記憶障害」はそれなりに手垢のついたジャンルではある。

というわけで、駆け出しの小説家の主人公が、事故かなんかで、1日しか記憶が保持できない、という設定になっている。
確かに、海馬による記憶のインデックス化と定着は、睡眠時に脳の中で行われているので、海馬がやられてしまうと1日以上の中長期の記憶に支障をきたす、ということは十分ありうる話で、まあまあのリアリティがある。*1

1日の呪縛から逃れられないという意味では、むしろ「記憶障害」よりは、北村薫「ターン」に読み味は近い。

ターン (新潮文庫)

ターン (新潮文庫)

1日の枠に限定されると、交流の多い生活というのはなかなか難しいと思うが、主人公は結構うまく適応して、なんなら新作の小説を書いてさえいる。
IT化のご時世、行動規範はPCに入れることで、確かになんとかなる。Society 5.0万々歳だ。

恋愛模様もあり、限定された状態での創作、そして挫折、そして大逆転。
いい話だった。ちょっと出来過ぎだろうなという気もするが。

というわけで、冒頭の疑問に戻るわけである。
ライトノベルと、非ライトノベルの差が僕にはよくわからない。
昔だったら普通にいい話だな、って老若男女に売れそうな気もする。
では、装丁とか、見てくれなのか?でも最近は昔の純文学の作品だって、ちょっとライトノベル風の装丁にして売られていたりもする。
まあ、どうでもいいのかもしれないが。
(ジャンルとかインデックスにこだわるのは、旧世代の悪い癖だ。
「こんなのジャズじゃない!」とかね(笑))

*1:現実にこういう状態がありうるのかは知らないが。オリバー・サックスの著作とかにあるのかもしれない

『スマホメモ』須藤亮

オススメ度 80点
ごめん俺これ読み込めてない…けど二度読みする気にはなれない度 80点

スマホメモ 仕事と人生の質を上げるすごいメモ術

スマホメモ 仕事と人生の質を上げるすごいメモ術

K-J法とか、マインドマップとか、そういう断片的なセンテンスをつなげたアウトラインを作り、文章の論理構築であるとか、意思決定に役立てるやり方というのはいくつか用例がある。が、トイレに行くときにも手放さない僕らの中毒アイテムで、やったら効率いいんじゃない?という本。

全くその通り。

実例の上げ方が参考になった。
メモの取り方とかそのあたりの本は最近かなり多いが、この本もまあまあそんな感じ。
また、この手のビジネス ライフハック本を並べて比較してみようと思う。

確かに、断片的なメモをどんどん残すフェイズと、それを組み上げて整理するフェイズを分けると、なかなか作業としては面白そうには思える。
ちょっと思い直して、メモをとるのを少し増やしてみた。僕は今iPhoneMaciPad AirなのでMacのメモ帳が一番適しているかなと思う。

この本の主張は
・人間の脳はフラッシュメモリーのようなもの。色々考えているけれども。それが瞬時に消えていく
・そういった瞬時に思いつく雑想は、記録までに時間がかからないものがいい。昔なら手元に紙のメモ帳。今ならスマホだよな。いつも持っているものとしては。
・雑想をまとめ、思考を整理し、印象付けるメモやノートの書き方には一定のパターンあり。文字化・グループ化・表札化・矢印付・強調化・図示化・具象化


結局、To Doリストもリマインダも、メモに集約するのが、最も最大公約数的に使えるのかもしれない。ま、実際そうしているけど。
これと、Showroomの人のメモ本、
ブリット・マネジメント、のあたりがやや気になる。

結構いい本で、これ読んでから、自分のメモの取り方とか、そういうのは少し変わるのは変わりました。

『騎士団長殺し』村上春樹

オススメ度 100点
ジャングル通信のパワーワード度 100点

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(上) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(上) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)

いまさら、騎士団長殺しですよ。

僕は今までの村上春樹のほとんどの著作を読んではいるけれども、新刊がでてもすぐは買わない。
我慢して、待って、待って、文庫化されて、さらに少し時間が経ってから、読む。

なんとなく、流行に乗るのがいやなのかな。
ノルウェイの森にでてきた永沢先輩の「死んでから年数が経った作家の本しか読まない」というルールとまではいかないが、少しそんな心情だ。
少し寝かせてから読む。

もっとも、こういうSNSに感想とか書くのであれば、刊行直後に読むのがよろしいですがね。

* * *

読み始めた。
ふーん。ふーん。おもろい。
文庫で4巻、ほぼ1日で読み終わった、頭がくらくらするけど、相変わらずの面白さだった。

さすが村上春樹。期待を裏切らないストーリーテリング
悪い意味でも期待を裏切らないおんなじような話。

なんか、村上春樹を読み慣れていると『13日の金曜日』の「こいつ序盤にジェイソンに殺されそう」とかわかるように、「こいつ死にそう」「こいついなくなりそう」とか「こいつとはセックスしそう」とか、なんとなくわかってくるよね。

我々がハルキ的世界に慣れていることを差っ引いても、今回は作中の解説が多くあり、親切すぎる描写が気になった。
「私はメタファーです」というか?イデア、もそうだけど。
そういうのは言わないのがハナなんじゃないかと思った。

あと春樹の渡辺淳一化が気になると、これには書いてあったけど、
確かにカジュアルすぎるセックス描写(といってもあっさりしたもんだけど)が気になった。

若い頃の著作では、やたらとすんなりとセックスする主人公(リア充か?)の行為に、一応は文学的な意味づけみたいなものがあったけど、それもない。*1
昔は「必然性があれば脱ぎます」と言っていた若手女優が、もう必然性あろうがなかろうがまあまあ脱いでるような寂しさがある。

* * *

30代から40代の男性にとって、色々身につまされるような描写が多かった。
ホコリをかぶったままの僕の車、の描写のくだりは、すごく共感したし、(愛車ゴメン!)
今回の主人公は、今までよりも流されてる感が強かったように思う。*2

とりあえず、人妻出会い系サービスに「ジャングル通信」と名付けられたものがあったら、ぜひ利用してみたいと思ったな。

ジャングル通信……(笑)
なんか妙なリアリティがあった。

今回、通読して数週経った時点では、僕の頭にはジャングル通信しか残っていなかった。

ジャングル通信

というか、ジャングル通信でもうちょっと喋っていいですか?
というか、話はかなり逸れるのだが、ジャングル通信。

これを村上春樹が料理したら、「騎士団長殺し」になる。

では、村上龍に料理させたら、

ー政府要人や外国人を主に相手にする高級売春クラブ「ジャングル通信」。
しかしそこは国家公安委員会が管轄する防諜組織だったーー

みたいにならないだろうかな。
エロ、グロ、洗脳SM描写大ありのチャーリーズ・エンジェルスみたいなやつ。

*1:ものすごい擁護すれば、昔のような貞淑性も社会の中でなくなってしまったからかもしれない。

*2:ま、村上春樹の小説の主人公が基本的には受動的なのは今にはじまった話ではないけど

『武器になる哲学』

オススメ度 100点
これは会社指定の本にしたらちょっとみんな教養あがるんだろうか…度 100点

山口周、今まで読んだ本でハズレがないのはおそろしいことだ。

まあ、リーダーに教養が求められる理由、

  • 無教養な専門家こそ、われわれの文明にとって最大の脅威
  • 専門家というものは、専門的能力があるからといって無教養であったり、諸々の事柄に無知であったりしていいものだろうか


halfboileddoc.hatenablog.com
jazz-zammai.hatenablog.jp

哲学というと、基本的に「哲学史」的な編年体で書かれた教科書がほとんどだ。
普通の哲学の本は、ソクラテスプラトンアリストテレス、と並んで、即爆睡。


これは逆引き辞典のようなもので、仕事や人生で悩むようなトピック別にキーワードを編集し、50のインデックスにわけて紹介している。

このカットバックが、非常に気持ちいい。
というか、めっちゃ有用。
言葉のラベリングって大事だよな、と思う。

* * *

目次からみてみると…

ロゴス・エトス・パトス(アリストテレス
予定説(ジャン・カルヴァン
タブラ・ラサジョン・ロック
ルサンチマンニーチェ
ペルソナ(ユング
自由からの逃走(エーリッヒ・フロム)
報酬(バラス・スキナー)

とこんな感じだ。
「哲学」っていう知的体系をまず修めなさい!という感じでもない。
時代も、提唱者もバラバラ。ユングとかスキナーというのは、「哲学」といっていいのかさえわからない。
 まあ、プラクティカルなビジネス上の実務から離れた概念化された高等概念を「哲学」という言葉でくくっている。

要するに、ユーザ・フレンドリーなのだ。(多少の誤謬はあれど、有用性を何よりも重んじているのだと思う)

以下、キーワード(備忘録)

  • 世界はどのように成り立っているか、Whatの問い=世界はどのように成り立っているのか、とHowの問い=私たちはどう生きるべきなのか?。Whatの問いにはつまらないものが多い。
  • 変化には必ず否定が伴う
  • 予告された報酬が動機付けを減退させる
  • ルサンチマンへの反応(原因となる価値基準に隷属するか、反抗するか)
  • 自由とは堪え難い孤独と痛烈な責任を伴うもの

いや、あまりにもタグが多すぎて、なんども読み直した方がいいと思う。KIndleで読んでいるんだけど「マイノート」で線引いた箇所、他の本の4-5倍になってしまった。
ここに書かれているインデックスを当たり前に理解できていれば、現代の教養人と言えるだろうなというくらい、総花的に盛り込まれていると思う。

底本にするのにちょうどいい本だと思う。
すげーなー山口周。

『ケーキの切れない非行少年たち』

オススメ度 80点
割と「不都合な真実」含まれている度 90点

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)


「不良」という言葉は、昭和の世代にとっては 素行不良という意味だと思っていたが、
この本を読む限り、不良=ポンコツ と言う、本来の工業用語だったのかもしれないな、と思い直してしまうほどの衝撃があった。

要するに「不良」は、体制反逆者か、社会不適合者の方が真実なのか、ということ。
もちろん、その二つの要素が混在しているのだろうとは思う。
70年代から80年代には、「不良」という言葉は「体制反逆。まあ社会不適合みたいな要素もあるけどね」みたいなストーリーを社会は文脈として受け取っていたように思う。
これは、戦前の共産主義活動、ブルジョア階級の知的エリートが共産主義に共鳴し社会の低層に潜っていった歴史的文脈(この人たちは、体制反逆者だった)を想起させる効果があったからなのじゃないかと思う。

だけど、現実は、社会不適合が前面にあり、受け入られるストーリーとしてこうした体制反逆を語っている可能性はある。
体制反逆心というものは、誰の心にでもあるはずだからだ。
僕にだってある。

でも現実は、そんなストーリではないようだ。
要するに、知的に問題がある一群が、少年犯罪を引き起こしている。
犯罪のバックグラウンドは、社会に対する反抗、みたいな階級主義的なものではなくて、個人の能力的な不全感とフラストレーションであって、そこには発達障害のような要素が多分にある。ということがこの本の趣旨だ。

* * *

だから、解決方法は「反省」や「悔悛」ではなくて、社会で適応できるための、スキルをつけさせること、である。
という主張は、なるほどとは思う。
しかし、因果応報主義というか、目には目を主義の考えから解き放つのはなかなかむずかしいんだろうなあ、とも思った。
システム論としてみると、少年犯罪者を無くし、減らすためには、厳罰ではなくて、社会適応させるための訓練であろう、というのは容易に理解できる。ただ、SNSも蔓延する非寛容な現在の社会では「犯罪を犯した人間が『のうのうと』普通のくらしを享受している」ことに対して、ものすごく風当たりが強い。
むしろ最近は、人が裁かれるのは、司法において、はなく、マスコミとSNSなのだ。
 そこでは、一度犯した罪は二度と消えることがない。

じゃあ、犯罪者は全員死刑にするの?それも現実的ではないけど「善良な市井人」は自分に関係がないし、本音ではそうあれかし、と思ってさえいる。

なんすかね、戸籍とか名前とかリセットして再デビューする仕組みを作りませんかね。

『大家さんと僕 これから』

オススメ度 90点
ほろり度 100点

大家さんと僕 これから

大家さんと僕 これから

halfboileddoc.hatenablog.com

ヒットした前作はおおよそ一年前に読んでいたのだよな。
大家さんも結構なお年で、漫画中で二度目の骨折をしてまた入院。
そして、だんだんフレイルで、ADLも落ち、食事もとれなくなり、遂にお亡くなりになられる。

前作でも、ご高齢な大家さんは「自分はもういつ死ぬかもわからないのだから」という、死を身近に感じつつ、しかし案外元気でしたたか、というところにペーソスとおかしみがあった。
本当に亡くなられてしまう、となると、これはもう全くシリアスな話である。

それを見守るしかない矢部の筆致は、あくまで優しく、切ない。
あくまで、ご本人の元気な時の様子を踏まえて、暖かく描かれる死の前後の描写は、グッと胸にせまるものがあった。前作での試行錯誤と蓄積があるので、こういう大きく場面が展開するところでも、筆がブレないのはすばらしいと思った。

* * *

私も、地域密着の医療をしていて、特養など介護施設を持っていて、看取りも日常的にしている。

あくまで医療というフレームという目で見ると、90前の老年の女性が、何度か骨折し寝たきりになり、最後は食事がとれなくなり、亡くなる。
そういう、よくある話にすぎない。
でも、その背景にある人生を透かしてみると、こういう感情を揺さぶられるストーリーは、誰にでもあるのだ。

ナラティブ・メディスンという言葉があるが、我々はやはり人間らしくあるために「ストーリー」を必要とする。

患者さんを看取る時に、医療者としては、経管栄養をしますかしませんか?
とかそういう生々しい選択を家族の人にしてもらう。
家族の人も決め切らないことがよくある。
確信を持って胃瘻などはオススメしないことが多いのだが、それでも「少しでも長く生きて欲しい」という風に家族が思っていて、それゆえに「胃瘻をしなければ死ぬ」という字義に悩む家族も多い。

実は、こういう時に、今の現状をどんなに詳しく伝えても、医療の知識をどんなに正確に伝えたとしても、結論はでない(でるとすれば、それは医療者が押し切っているだけだと思う)。

ヒキのテクニックとしては「ところで、このXXさんは、どういう人だったん?」という話にそらす。
家族に聴いて、ひとしきり家族にこの人のことを紹介してもらう。
最初は、職業とか生地とかそういう事実。
それから、家族、関係性、性格、趣味嗜好など、その人の人となりがわかるような事を掘り下げてゆく。
そういう作業をしてゆくと、どっかで、その人の人生観がほの見えるような言にぶつかる*1
家族に愛されている人であれば、その人が1日でも長く生きることを家族は選択しがちだが、結果としてその人を苦しめることになる。


過去のその人の言動や考え方を掘り起こして、家族の中に生き続けるその人との対話をうながすと、今ものも言えなくなっているその人の考えを代弁してくれる。
時間はかかるけど、そういう丁寧な作業をすることが、人を人としてケアすることだと思うのだ。

んで、そういうストーリーが見えると、医療従事者も「XX号室の患者さん」じゃなくて、「長らく造園業を営んでいて、週に一度シュークリームを食べるのが何よりも好きだった山田さん」になる。

アウシュビッツ収容所では名前を剥ぎ取られて番号だけを与えられ、モノ扱いされた。
 それと逆のことをしなきゃいけない。

* * *

カラテカも、相方は反社の人とか闇営業がらみでなんか大変だけど、矢部はぼちぼちがんばればいいと思う。

*1:ぶつからない時もあるけど、その時にはその時なりのテクニックはある