半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

「ほとんどない」ことにされている側からみた社会の話を。

「そう、書かなきゃいい、言わなきゃいいんである。働きづらさや生きづらさという、ある立場の人から見た世の中の不均衡。それを口にしなければ世の中は平和だし、誰も怒らない。けれどいったん構造に物申し始めたとき、世界は一変する。」
性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo...多くの人がフタをする問題を取材し、発信し、声をあげ続けるライター・小川たまか初の著書

今でこそ、ジェンダーについては、ずいぶん話が進んで、むしろ弱者男性おいてけぼりやないの?とか、
そういうことさえ言われる時代ではある。
けど、やっぱり社会における給与面での待遇や性的規範意識の点では男性と女性の間にずいぶんと差がある。
そういう構造的な状況で苦境に在る人の気持ちとか状況を丁寧に掘り下げた話。


RIFCR 虐待を受けた子供への初期対応
幼い頃に嫌な目にあった人が、少し成長してからまた被害に遭うというケース
ジェンダー・年齢差別(特に女性の場合の若い女性の価値が大きいと一方的に見なされる問題)
ステレオタイプへの決めつけ
性被害、ルッキズム
性交渉における「合意」とは

私は優位とされている男性。
優位な立場がどんどん変わっていく時代の人間で、正直耳が痛いことも多い。
けど、この10年くらい(特にコロナ禍になってから)社会はずいぶん変わったように思う。

それがよりよい社会に近づけばいいのだけれど、そこんとこはまだわからない。
それに大正デモクラシーから昭和の軍国主義ナチスドイツのように、自由と繁栄から一転して、極端に人権の制限された時代が来たこともあるわけで、21世紀が今の延長線上で、我々がいま当たり前に享受している自由、というものが、そもそもなくなってしまう時代がこないとも限らない、とは思う。