ずいぶん前に映画化されたもので、脚本三谷幸喜本人のノベライズ。
芥川の『枯野抄』的な感じを2000年代のドラマにありがちな心の中の心情吐露多めに、そしてコミカルさ多めに仕上げたらこうなるのかな、という感じだ。
映画化として間然とするところのない密度の濃い脚本だと思う。また、本人の人物造形なども
史実と、類推できるところを結びつけてそれなりにリアリティのある感じにしているのもさすがだ
この辺は司馬遼太郎とかと同じ手法ではある。もちろん三谷幸喜氏は多忙で、司馬遼太郎ほどの資料収集癖はないから、当然隙はあるとは思うけども、まあその辺は時代考証とか専門家の意見も参考にしつつ、プロジェクトチーム方式なら、そうおかしなことにもなるまい。
なんでこの本を今頃僕は読んでいるのか、というそっちの方が最大の謎だ。
kindle積読本を今読み返している最中なのだ。
この前Kindle Paperwhiteを買ったのがやっぱり良くて、読書量がめっちゃ増えた(というか、戻った)のですよ。
完全に時流外れだったんだけど、いかにも三谷幸喜らしいなとも思いつつ、面白く読めた。
個人的には愚昧と言われていた織田信雄の愚昧ぶりはとてもよくかけていたように思う。ああいうの好きだな。