シグルイ…のルーツを今更ながら。
いわゆる若い時分。よくいる文系サブカル好きだった。
TV brosも好きだったし、バカドリル、テーブルトークRPGとか、なんやかや広範囲。
もちろん音楽や映画やドラマなどもそういうの。
そんななので、狂った漫画『シグルイ』は当然読んでた。
まあ、色々狂っている漫画だ、と思った。
すげえ。
世界観も狂っているし、人物造形も狂っている。
登場人物の誰にも共感できない。
……みたいな読後感。
けど、描写や展開が読めない奇怪さと画力でついつい読んでしまうし、クセのせいか、折に触れ読み返したりしてしまう。
何度読んでも納得いかない。
とりわけ、クライマックス。
御前試合で藤木源之助と伊良子清玄が対決して、最終的には藤木が勝つのだけれども、そのあと、藤木側の当主虎眼の娘三重は自害するのだけれども、このシグルイのストーリーだと???でしかなかった。わからない。
また、ガマ剣法など異形の人がでてきたり、色々濃ゆいサブキャラもでてくるけど、最後まで語られることなくあくまでサブキャラ。
シグルイの原作は南條範夫の小説『駿河城御前試合』で、この駿河城御前試合が計11試合が描かれているらしい。その11試合の登場人物が、シグルイにもちょっと登場している、らしい。
あまりに奇怪なシグルイに、原作の南條範夫の小説に興味はあったけれど、
少し前に、この駿河城御前試合の別の漫画化、森秀樹が著しているのを読んだ。
「腕〜駿河城御前試合」全四巻。
この作品では11試合すべてを割とフラットに描いている。
シグルイのようなそれぞれの人物の行動原理と行動の乖離のようなものは乏しく(紙面の都合もあるだろうが)まあ、一つ一つの試合の登場人物はかなりエキセントリックではあるものの、まあ理解ができる範囲ではあったのだ。
森秀樹、以前はゴルフ漫画「青空しょって」の頃は細くて緻密な描線の作風であったのが、ある時から往年の劇画に近い、筆の濃淡を強く感じるような作風に変化しており、この時代劇的剣戟ものに相応しいタッチではある。
まあ、これが南條範夫の原作の忠実なコミカライズなのかなあと思った。
* * *
シグルイを何度目の読み直しの今回、初めて南條範夫の原作を読んでみることにした。
……うーん。なんじゃこれ??
全然違うなあ。
シグルイはこの原作と、だいぶ違う。
それはわかる。
まあ、11試合のうちの1試合だけ拡大してほぼ別な長大なストーリーを紡いでいるんだろう。
ただ、藤木・岩本虎眼・伊良子・いく・三重、全員性格も原作と全く違う。ディテールも全然違う。
全員、より化け物じみた感じだ。
……まあ、それはいいんだよ。
では「腕〜駿河城御前試合」が、正調なの?…と思ったら、
これも細かいところがかなり違う。3割くらいは全く別のエピソードだったりする。
いや、まあいいけどさ。
ただ、今回あらためてこの原作読んだけど、これ、複数コミカライズするほどのストーリーなん?
とは思った。
なんか南條範夫の小説を、みんな「残虐」+死の不条理、、と捉えて、各々が勝手に各々なりの残虐+不条理な死を描いているように思われる。


