『引き寄せの法則を全部やったら、効きすぎて人生バグりかけた話』
ジェーン・スー女史が「Over the sun」で紹介していた本。
スーさんは最近瞑想とかをやっているらしいのだが、どうしても理系脳がブレーキになってイマジネーションできないという悩みを持っているということを番組で語っておられた。
僕も自然科学の申し子なので、いわゆるスピリチュアルなやつは同様に苦手。
この人はスピリチュアル系の雑誌か本の編集部に入ったのがきっかけで、最終的にはスピリチュアル業界を総花的に体験したという経歴の方。
話半分・眉唾半分で入口を叩いたけれども、やっぱり理屈では説明できないようなことは起こるので、引き寄せの法則はほんまにあるわね。でもそれぞれに特性はあるので、この人はこんなスピが向いてるかも、みたいな体験談。
かなり面白い。一応、両論併記的に、公平に書こうという努力は感じる。引き寄せの法則は「ドラッグ」に近いという冷静な視点は大事だなあと思う。
一方、スピ業界について全く興味がない私にとっては、シータヒーリングがどうとかブッダ直伝瞑想がどうとか、いうこの本の中での真髄と思われる部分は、あまり興味がわかなかったのも事実。
この本の、信じているけど冷静さと客観性も同時に並列させてる感覚、このニュアンスは伝わりにくいのですが、スー女史の感想同様、すごく面白かった。
ぜひ読んでみられたらいかがでしょうか。
『1000枚の服を捨てたら人生がすごい勢いで動き出した話』昼田祥子
こちらは、結果として引き寄せになった話。
こんまり「断捨離」メソッドを地で行くような体験談。
服飾雑誌の編集者(ファッション・エディター)を長らくしていて、流行への感度も鋭く、服に心血を注いでいた女性が、些細なきっかけでメルカリにはまり、今まで心血を注いで作り上げたワードローブの中のものを次々の売りに出す。
その過程で自分のありようを見つめ直して、大量の服はいらないどころか、自分にとってストレスであったんだ、と認識し、シンプルなワードローブを楽しむようになり、生活もいろいろいい感じに回り出した、という体験記。
以下、本中名言:
- ワードローブに対して抱いている感情は、あなたの自分自身に対して抱いている感情とイコール
- プレゼントは自分を想ってくれる気持ちが形になったもの。気持ちだけ受け取ったら「モノ」の役目は終わっています
- あの人素敵!という印象は「ヘアスタイル」が決めています
- ラクになったのなら、それが私にとっても「正解」
- 誰かと比較して落ち込む時は、決まって「自分には価値がない」と思っているときです。だから私がやったことは、自分を徹底的に褒めること。
- 服を捨てているにもかかわらずなぜか買ってしまうもの、買い物に行っても目にとまってしまうものこそが「才能の芽」かもしれない
- 「愛せないモノは持っていてはいけない」
- 捨てたら自分に必要なものが入ってくるのは、絶対法則
以前にアフロ女子稲垣えみ子さんの本を紹介したことがあるが、読み味も結論も、極めて近い。
halfboileddoc.hatenablog.com
確かにそうやなあーと感じること多し。
これもモノを買いがちな人にとってとてもいい本かと思った。
* * *
ちなみに引き寄せの法則、僕はどうみなしているかというと。
この我々が生きている人間界は単純な物理法則で動いているけど、しかしちょう複雑なレベルまで入り組んでいるので、不合理なことは起こりうる。
そもそも人間の感情や行動がシンプルではない。
おまけに、死後の世界が実際あるかどうかはともかく*1、すべての文明が死後の世界がある前提で構築されている以上、単純な物理法則を越えた合理的に見えない現象は矛盾しない。
そもそも徹底的に合理的な物理法則によって作られた生命の進化にしたって、進化の過程には美しい予測不能性が満ち溢れているのだ。
人間界にも同じことが起こらないわけがない。
とはいえ、その非合理性を全面的に味方につけようとは僕はあまりしないけど、全く無視もしない。
僕はそんな感じで生きています。
*1:僕はないとおもっているが

