わかりやすいミニマリストによる啓発本。
オルグ本といってもいいのかもしれない。
この人のおうちは昔まずまずのお金持ちで、家にはものが沢山あったんだそうだ。
その後おうちにはお金がなくなり、紆余曲折あり、この人はミニマリストになった。
ミニマリスト的な生き方は、人生の優先順位を自覚的に選んで、常識にとらわれなければ、たしかに論理的な帰結としてミニマリストになるかもしれない。結論としての完成体をみると「うげっ、そんなの無理」とか思ってしまうけど、この本では、どうしてミニマリストになるのか、というプロセスの思考が延々と述べられているので、一通り読んでしまうと「うーん、なるほど」と思ってしまう。
・ベッドなし・冷蔵庫なしの生活
冷蔵庫なしというのは、なんとなく買い切りでロスがでないので合理的だなとも思うけれども、ベッドなしにはいささか驚いた。
しかし僕も割と床で寝ることも多いので、これはまあわかるといえばわかる。
キャンプ系動画とかをよく見るために、全くの床じゃなくて、コットとか買ってもいいのかもしれない、と最近は思う。
当直も、ひょっとしたらコットで寝たほうが安眠できるかも。
・ものよりも「時間」にお金をかける
・買い物の出口戦略「売る」「譲る」「使い切る」
このへんは、物を減らす生活をするのであれば、当然こういう考え方を優先することになると思う。
「自立とは、依存先を増やすこと、希望は、絶望をわかちあうこと」。ものは減らすけど、その分「形のない」人間関係などの社会資本を増やしていこうと努めるというのは、よりリスクの少ない生き方であるかもしれない。
逼塞している孤独老人がものに埋もれてゴミ屋敷化するのを見ると、たしかにアクティビティはモノの少なさと相関するのかもしれない。
逆に、ミニマリストの極致までものを減らすには、相当な社会資本をバックグラウンドに持ち、アクティビティを高める必要がありそうだ。
それができる人はそう多くはない。
だから、多くの一般家庭は常識的な均衡点なんだろうと思う。一方にミニマリストがおり、その対極にゴミ屋敷があるんだろうな。