ポッドキャストで紹介されていたので読んでみた。
あるSUV車、ブレイクショット(名前から連想される実車としては『ハスラー』が連想されるが、車格は少し異なる。イメージすべきは『ハリアー』だろうか)にまつわる色々な話、の連作短編。
と見せかけて、特定の車種ではなくある車の最初から最後まで(色々あって持ち主が何度か変わる)を時系列を意図的にシャッフルしてストーリーを再構成。
偶然にも(偶然ではないが)登場人物が別の章にも現れたりして、それこそビリヤードのブレイクショットのように登場人物の玉突きが次々と起こる。飽きさせない、というか、うまいな、すごいな、と思った。伊坂幸太郎的なプロットのカスケードをさらに進化させたような感じ。
めっちゃ構成すごいな。
あんまり小説読まないけど、最近の小説ってこんななん?すごいね。
現代社会の複雑な状況を、目まぐるしく変わる状況と登場人物同士の相互作用で描いているので、すごくカラフル。でも登場人物が多すぎてわからない、なんてこともなく、とても読みやすい。
感銘を受けたのは、複雑な現代社会を描き、それぞれの激しく浮き沈みする人生を描いてはいるものの、通底するテーマは、与えられた状況の中で誠実さと善良さを追求する主人公たちの姿。
途中あまりにも主人公の一人が可哀想な境遇になってたから、神視点で登場人物翻弄するにしてもやりすぎやろと思ったりもしたけど、最後は爽やかに報われるようなストーリーでほっと胸をなでおろした。
そのあたりが、現代の世相を全部ぶっ込んだリアリティと、ある種宗教小説のような非リアリティとの混在で、不思議な読み味であるなあと思った。
いや、最近の小説すごいんやねえ。
