半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『徳川家康の決断』

戦国時代の徳川家康の足跡を、振り返る。
一言で言うと、紀伝体でかかれた徳川家康の個人史。

最終的には天下人となった家康ではあるけれども、そこには偶然の連続がある。
かといって全くの偶然だけではなく、家康は家康なりに成長し、経験を積み、最善手を繰り返して、現在の歴史が作られたわけだけれども、
その若年家康、青年家康、老年期の家康、それぞれの時代にあった「家康の個人史におけるターニングポイント」の状況を俯瞰して説明し、それに対して家康がどのように行動したか、というのを書いている。


対今川、対武田、対織田、対北条、対豊臣における戦略と行動を詳細に描かれている。
わかりやすいけど、史実にそって、なにせ前提とする知識が膨大ではあるから、エンタメ要素は低い。

現在大河ドラマ「どうする家康」でドラマでわかりやすく、家康の人生を追体験しているわけだけれども、
脚本としては相当の脚色があるようで、そのあたりは、歴史家的にはちょっとアレかもしれない。
(私はドラマ観ていないが、家人は観ているので、細かいディテールについてややこぜりあいになる。
 大河ドラマあるあるな風景が我が家でも繰り返されている)

今回の新書は、とりあえずドラマで家康の生涯に興味を持った人が、あまり虚飾なく徳川家康の生涯を振り返りたいのには、
最適なんだろうと思う。