ちょっと前に「運動しても痩せないのはなぜか」という本を読んだが、人類は他の霊長類に比べて特殊なチューニングが為されているらしい。
- 私たち生物は進化の結果できたので、死がないとそもそも進化できず、存在し得ません。つまり「なぜ死ぬか」ではなく、死ぬものだけが進化できて、今存在している。(死なない種は進化しない)
- ヒトでは老化が30-40年と非常に長い(閉経後の女性が
- 逆にいうと、ヒト以外の動物では老化はほとんどみられない。
- ヒトの本来の寿命は50歳くらいではないかと思われる
サケは産卵・放精後の生理的な変化として、急激な脳の萎縮が観察される(ホルモンが低下し器官の制御が壊れ「突然死」している)
ゾウは体が大きくて細胞の数も多く寿命も長いのにがんにはほとんどならない。(がんにならないから長生きする。p53遺伝子が20個もあるらしい)
進化によって老化した状態が選択される、つまり老化した状態がその生物によって生きやすくなったり、子孫を残しやすくなったり生存に有利に働くとは想像しづらいので、野生の生物に老化はそもそもない。
「老後」は子育てに有利に働く。「おばあちゃん仮説」
(おばあちゃん仮説については、別の本でも読んだことがある)
halfboileddoc.hatenablog.com
長寿は人類進化に有利であったと推測(シニアのいるコミュニティはさまざまな点で有利だったのではないかと推測)
シニア=子育てなども終えているので、私欲が少なく、自分よりも他人を立てる傾向がある。こういう人がいないと、コミュニティの組織化がうまくいかない。
シニアとは何か?生物学的な「年齢」から離れて、知識や技術が豊富で、私欲が少なく、次世代を育てて集団をまとめる調整役になれる人。
こういう「徳のある人」という人が存在することによって、コミュニティの適切な運営、安定化ができたのではないか?というのがこの人の仮説。
どうやらその結論には学問的なエビデンスはなく、筆者の仮説というか主張なのであるが、長年遺伝学や生態に通暁している人が発する「仮説」には説得力があるなあと思った。
話はそこから転じて、我々はそういう「シニア」になって社会を守りましょう。という話になってゆく。
「我々が老後長い間生きることを許されているのは、自分のためではなくコミュニティに貢献するために生きているんだ」
と思って利他的に生きる。それこそが、日本という社会を活性化し、自分を活かす道ではないか、と。
なんかねー、割と腹オチする内容だったんですよ。