半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『稼ぐがすべてーBリーグこそ最強のビジネスモデルである』

バスケットのプロリーグ「Bリーグ」の立ち上げに関わった方の体験を通して、経営というものを語ったもの。
私はスポーツ全般に疎く、バスケにも興味はないけれども、ニュース報道などを通じてもバスケは以前よりも盛り上がっていることは感じるわけで、そういう国内のスポーツリーグをどうやって立ち上げ、導いていったか、が面白かった。

それまでは2つのリーグが混在していた(NBL, bjリーグ)のを統合させてすり合わせるのではなく、新たな統一リーグを作るという形で始めたからこそ、仕組み自体にイノベーションを起こす必要がある反面、しがらみを断ち切って思い切った運営ができた、述懐する。
そこに川淵三郎さんというすぐれたリーダーシップと外圧(FIBA)、さまざまな思惑を結果的にはうまくまとめることができた。

バスケは競技人口の男女比が均等で、実は世界一競技人口が多いスポーツ、40代以上は関心がすくないなど、経営における前提条件を考察して一般解に導くあたりは、経営の話として普遍的なものでした。

・「べき論」で語る
・過去の延長線上で物事を考えるな
・「何がしたい、できます」より「こうあるべきでこうしなければならない」と自分の言葉で語れる人
・自分より優秀だと思う人しか採用しない
・本物のリーダーは「傾聴力が高く、話したとしてもシンプルな表現のみ。そして何よりも飾らない。いつでもオープンだ」
・戦略という綺麗な絵は誰でも描ける。今のスポーツ界に足りないのは、この強烈なリーダーシップ
・ただ単に方向性を出すだけでは一流、それに合わせて根拠まで添えられると超一流
・大きく変革してゆく時には独裁者は必要。ただし、私利私欲をもっては絶対にならない
・GIVE&GIVE&TAKE
・究極的には、人間は社会と関係をもつことに意義があるのだ、と

分野違いの経営の話は、すぐには参考にはならないけど、リーダーシップ、広報、システムづくりなど勉強になるなあと思った。