半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『なぜヒトだけが老いるのか』

なぜヒトだけが老いるのか (講談社現代新書)作者:小林武彦講談社Amazonちょっと前に「運動しても痩せないのはなぜか」という本を読んだが、人類は他の霊長類に比べて特殊なチューニングが為されているらしい。 私たち生物は進化の結果できたので、死がないと…

『日本文化の核心』松岡正剛

日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く (講談社現代新書)作者:松岡正剛講談社Amazon昨日エントリーに引き続き日本文化論的な本。松岡正剛氏は、いつのまにかヒゲの似合うイケオジ感満載のルックスになったが、 ヨットで漂流していたところを救い…

日本の死角

日本の死角 (講談社現代新書)講談社Amazon いま日本はどんな国なのか? 私たちはどんな時代を生きているのか? 意外と見えていなかった「日本の謎と論点」【本書のおもな内容】 ●「日本人は集団主義」という幻想 ●中国で見た「日本衰退の理由」 ●なぜ若者は…

『信長の正体』本郷和人

信長の正体 (文春文庫)作者:本郷 和人文藝春秋Amazonちょっと前に徳川家康の本を買って読んだからか、Amazonは続けて信長の本をすすめてきやがった。 halfboileddoc.hatenablog.com 読み終えて気がついたのだが、「歴史学者という病」を書いた人なのね。 hal…

『ソアラと魔物の家』

ソアラと魔物の家(1) (サンデーうぇぶりコミックス)作者:山地ひでのり小学館AmazonなんかSNS上のWebコミックアプリで何度も何度も紹介されているので読んでみた。 ファンタジー×建築、みたいなやつ。世界を救うために勇者として研鑽をつんだ主人公(女の…

『家事か地獄か』

よくわからないアフロ女子 稲垣さんの本。家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択作者:稲垣えみ子マガジンハウスAmazon50歳で仕事をやめることになり、安いアパートで暮らす羽目になった独身女子。 ひょんなことからミニマリストにならざるを得な…

『徳川家康の決断』

徳川家康の決断 桶狭間から関ヶ原、大坂の陣まで10の選択 (中公新書)作者:本多隆成中央公論新社Amazon戦国時代の徳川家康の足跡を、振り返る。 一言で言うと、紀伝体でかかれた徳川家康の個人史。最終的には天下人となった家康ではあるけれども、そこには偶…

『運動しても痩せないのはなぜか』

運動しても痩せないのはなぜか:代謝の最新科学が示す「それでも運動すべき理由」作者:ハーマン・ポンツァー草思社Amazon比較生理学?とでもいうのだろうか、かなり学問的に厳密に、運動・カロリー摂取、体重との関係を考察している本。割と身も蓋もない結論…

HOKA Clifton 8

[ホカオネオネ] スニーカー クリフトン8 HOKA ONE ONE CLIFTON 8 メンズ 1119393 ブラック 黒 26.5 cm [並行輸入品]HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)Amazonコロナ禍で全く運動をしなくなって着々と体重が増えた。 体重もそうだけど、Apple Watchでみていても、月…

『私が誰だかわかりましたか?』

わたしが誰だかわかりましたか? (コミックエッセイ)作者:やまもとりえKADOKAWAAmazon 夫と離婚して数ヵ月後、わたしは匂いをかぎたいと思う、ある男と出会った。 バツイチ子持ちで、誰かを信じることに疲れ切っていたある日、同じバツイチの男と運命的な恋…

『冷たい夏、暑い夏』

冷い夏、熱い夏 (新潮文庫)作者:昭, 吉村新潮社Amazon吉村昭の実の弟が肺がんになって亡くなるまでの実録小説。吉村昭、おそらく死というものについて考え続けた作家だとは思う。 20歳の時に結核の手術で辛うじて死を免れたことが、著者の原体験であったりす…

『創世のタイガ』森恒二

創世のタイガ 1 (ヤングアニマルコミックス)作者:森恒二白泉社Amazon ケンカとは無縁の無口で内気な少年がストリートで自分の才能に気づき、ヤンキー狩りを行う格闘家に成長してゆく「ホーリーランド」は僕も楽しく読んだ。 「自殺島」も読んでいたが、途中…

小田嶋隆『超・反知性主義』、森本あんり『反知性主義』

超・反知性主義入門作者:小田嶋 隆日経BPAmazonピースインザ警句を愛読していたが、小田嶋隆さんが亡くなってちょうど一年みたいだ。 良くも悪くもこの人はコラムニスト、という言葉がしっくりくる人だった。 安倍政権になってからの政府やマスコミに対して…

『A』 森達也

AAmazon 地下鉄サリン事件から半年。マスコミの熱狂的なオウム真理教報道が続いていた1995年。当時テレビディレクターであった森達也は、教団の広報部・荒木浩を被写体としたオウム真理教についてのドキュメンタリー番組の企画を立ち上げた…… 以前は森達也の…

『エレガントな毒の吐き方〜脳科学と京都人に学ぶ言いにくいことを賢く伝える技術』

京都をのぞくとき、京都もまたこちらをのぞいているのだ エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術作者:中野 信子日経BPAmazonエレガントな毒の吐き方。憧れる。 僕も毒は吐くが、そこまでエレガントではない。最近メ…

『まず、これを愛とします』

まず、これを愛とします。 (扶桑社コミックス)作者:東京日記扶桑社AmazonTwitterでしばしば流れてくる漫画が、単行本化されたので読んでみた。ちょっと前に「麻布競馬場」という人の東京の都市生活のペーソスを語った作品があった。 halfboileddoc.hatenablo…

『瀬島龍三 参謀の昭和史』

「小才子、大局の明を欠く」 参謀の昭和史 瀬島龍三 (文春文庫)作者:保阪 正康文藝春秋Amazonちょっと前、GWをすぎた五月末、「流行り病」に伏せっていた。 熱があり、朦朧としている状態で、Kindleで以前かっていた「不毛地帯」を読み返していた。不毛地帯…

『絶滅動物物語』

絶滅動物物語 (ビッグコミックススペシャル)作者:うすくらふみ小学館Amazon絶滅動物物語(2) (ビッグコミックススペシャル)作者:うすくらふみ小学館Amazon人類の愚行であるところの、動植物絶滅。 今や、世界人口は80億人を超えて、おそらく今後の自然環境…

『和田ラヂヲの異世界無双』

和田ラヂヲの異世界無双 (ライドコミックス)作者:和田ラヂヲマイクロマガジン社Amazonさんざん Web発の縦読みコミックなどを気がつくとガッツリ読んでいるのである。 大人なので、適度に有料部分も面白かったらどんどん読んでしまうのである。もういいかげん…

『平成史ー昨日の世界のすべて』與那覇潤

なんと、重苦しい本だろう。平成史―昨日の世界のすべて (文春e-book)作者:與那覇 潤文藝春秋Amazon平成は、1970年に始まっていた――!? 団塊からZ世代まで必読の日本の全貌! 小泉純一郎から安室奈美恵まで――平成育ちによるはじめての決定版平成史が誕生した。…

離婚して車中泊になりました

#離婚して車中泊になりました 3年目のチューンナップ (ソノラマ+コミックス)作者:井上 いちろう朝日新聞出版Amazonあんまり売れていない漫画家が、離婚をきっかけに家を引き払い、車中泊で旅をするようになった話。 タイトルそのまんまの作品。コロナ禍を…

映画を早送りで観る人たち

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書)作者:稲田 豊史光文社Amazon話題になっていたから、読んでみた。最近の若い子は映画を倍速でみるらしいぜ、というのはなんか聞いたことがあった。 実際、私も仕事…

村上春樹『街とその不確かな壁』

街とその不確かな壁作者:村上春樹新潮社Amazonかつて村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』は好きな小説で、何度も読み返した。「世界の終わり」には習作ともいうべき「街」という短編があったらしいのだが、それを大々的にリライトした…

『アンゴルモア』

【コミック】アンゴルモア 元寇合戦記(全10巻)作者:たかぎ七彦角川書店Amazonアンゴルモア 元寇合戦記 博多編 (2) (角川コミックス・エース)作者:たかぎ 七彦KADOKAWAAmazonアンゴルモア 元寇合戦記 博多編 (1) (角川コミックス・エース)作者:たか…

『ブッダが考えたこと』宮元啓一

ブッダが考えたこと 仏教のはじまりを読む (角川ソフィア文庫)作者:宮元 啓一KADOKAWAAmazon仏教というのはなにか。『仏教』というのを読み解く際に、日本の仏教研究では、 仏教の長い歴史の中で、新しい考え方や流派がたくさん出てきた結果、今までの流れを…

『圏外編集者』都築響一

圏外編集者 (ちくま文庫)作者:都築 響一筑摩書房Amazon なんでしょうかね、こんな風に言われたくないと思うけど『気骨溢れる編集者』という感じなのか。都築響一氏は Tokyo Styleの頃から興味はあって(大判書籍がほしかったんだけど、あれは大抵真ん中から…

アツいクリエイター漫画『これ描いて死ね』『映像研には手を出すな!』

これ描いて死ね(3) (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者:とよ田みのる小学館Amazonこれ描いて死ね(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者:とよ田みのる小学館Amazonこれ描いて死ね(2) (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者:とよ田みのる小学…

『少年の改良』『夫婦茶碗』町田康

少年の改良 (Kindle Single)作者:町田 康Amazon PublishingAmazon夫婦茶碗(新潮文庫)作者:町田康新潮社Amazon買って読んだのはだいぶまえだけど、読み直してみた。少年の改良 遠縁にあたる17歳の少年を相手に、「ロックとは何ぞや?」と「私」が煩悶する短…

『ピアノマン』南波永人

ピアノマン 『BLUE GIANT』雪祈の物語作者:南波永人小学館Amazonちょっと前に「Blue Giant」映画を見た。 映画『Blue Giant』 - 半熟三昧(本とか音楽とか)なかなかいい映画だったなーと思う。漫画Blue Giantのプロットをほぼそのままに、2時間に…

『アンダーカレント』

アンダーカレント (アフタヌーンコミックス)作者:豊田徹也講談社Amazon今度映画になるらしい。 Webでちょっと話題になっていたので読んでみた。 ほんとうはすべて知っていた。心の底流(undercurrent)が導く結末を。夫が失踪し、家業の銭湯も手…