ジェーン・スーさんオススメだったので*1、読んでみた。
キラキラの20代女性のエッセイ、ということになるのだが、
なんといいますか、ひどく落ち着いている語りかけが、かなり気になった。
ご本人はセネガル人のお父さん、日本人のお母さんの間にうまれた20代女性。横浜在住。
祖父母とともに暮らしている。
ラウンドガールやモデルなどの経験もある、スラリとした美しい方である。
注目されたのはこのNoteの文章「パパと私」だそうだ。
私もNoteやってんですけど、全然知らなかった。やれやれ最近世間の流行についてけない。
このnoteを読んで「なんかいいな」と思ったらぜひ本も読んでみて欲しい。
そのほかの文も、同様によかった。
どの文章も、丁寧で、静かに語られている。
感情に流されすぎず、感情を排しすぎず、鋭く、そしてやさしい。
……ルックス関係ないな。
非常に洞察力にすぐれた書き手だと思う。
……いや、この人は、生きていく上で、ここまでの洞察力と言語能力を必要としたのかもしれない。
『三月のライオン』の主人公零は、将棋が強くなったのは本人の才能でもあるが、将棋で身を立てるしかない環境におかれたため、でもある。
同様に伊藤さんの文章がすぐれているのは、本人の才能ももちろんあるだろうが、考えさせられざるを得ない切迫性と環境の酷薄さもあるのだろう。
ま、それはともかくとして、どんどん書いてどんどん読ませて欲しいなあと思った。
この方が10年後どうなっているのか。
興味はあるが、知りたくもないような気もする。
メディアに消費されて燃え尽きてしまう、とかいうのは見たくない。でもこの属性の希少さアンバランスさはメディアの人にとって好餌にはなりやすいから……