半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

死なれちゃったあとで

人生の中で、死んだ友人、隣人。
誰の人生でも経験があることだろうし、その経験は死生観に強く影響を与える。

ただ、現代では死に立ち会うことは少ないので、それぞれの死生観のバリエーションって、昔より振れ幅が大きいのかもしれない。

この本ではこの人の立ち会った死の経験が語られる
親友Dの死、人がよく金に無頓着だった父の死。
通りがかりに出くわした事故。
(多分あの人死んだんだろうな…という事故を目の当たりにするのは、けっこう怖い)
福岡から東京に出るきっかけとなったDさん。

結局のところ、人の死を語ることは人の人生を語る、ということだなと再認識した。

僕と同い年のこの方が学生をへて一般企業に就職して、福岡から東京へでてゆきメディアで活動してゆくまでの自伝的な話。
それが、その時々の死が挿話としてつづられる。


挿話の後日譚も語られて、やや爽やかな気持ちになった。

死について語ってはいるけど、個人史の、いわゆるビルドゥングス・ロマンであると同時に、先に死んでいった友人への追悼でもあるわけで、そんなの姉さん面白くないわけがないじゃあないか。
と思った。