半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

2022買ってよかったもの【書籍編】

総括

今年は「これはあたりだ!」と感じた本が少なかったように思う。
そもそも私は、本を読む時間は電車移動の時だったりするわけですが、2022年は出張も少なく、しかしそれなりに地域内で動いていた(車で)ので、読書の時間が結構すくなかった。なので、暴露時間の低下が一因であると思う。
あと、読んだ本をこのBlogにきちんと上げていないなあと反省。
今年の後半は本当に仕事が忙しくて、外来・入院も、自分の限界を超えていた。そうすると、アウトプットのエネルギーが擦り切れてしまうのか、オフタイムにパソコンに向き合えなくなりました。そして作文能力は続けておかないと落ちます。
2023年はもうちょっとちゃんとしよう。

ビジネス書

脆弱性

これもKindle積読を再読し、年末に読んで感じ入った本。
脆弱の反対後は頑健ではなく反脆弱である。という割とセンセーショナルな煽りから始まるが、
組織の堅牢性は動的平衡にあり、ということを最近悟っていたので、なんとなくこの本のコンセプトには腑に落ちるものがありました。

『ビジネス書ベストセラーを100冊読んでわかった成功の黄金律』

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ま、茶化してますけど、結構面白かったです。

組織論

モンスター組織・辞める人・ぶら下がる人・潰れる人

組織の中での軋轢とかに悩むと、こういう本を読みたがります。ええまあ、そういうことです。

長寿時代の医療・ケア

ACPとか、高齢医療について小児科や産婦人科以外の医師は少なからず接していると思うけれども、案外この臨死にまつわる議論をきちんと押さえている医療従事者はあまり多くはない。会田先生、今後もこの分野で第一人者として活躍されるはず。
とりあえずこの一冊読んでおけば現時点での概要をおさえられると思います。
ビジネス、じゃないけど僕にとってはこれは職域の本なんで。

一般教養

というべきなのかわかんないけど、この混迷の時代を理解しようといろいろ手は出した。

人口大逆転

今後生じる「世界の高齢化」によって、どうなるか。
ということを論じた本。インフレ+雇用者優遇になるという未来予想。
そして、先んじた日本の高齢化ではそうならなかったじゃないか→日本は国内の高齢化による労働不足を海外移転でしのいだ。
 しかし今後の全世界的な高齢化は、その手が使えない。というそういう趣旨。これも未来予想の一つとして読むべし。

つくられた格差

現在の富裕層に対する税法は、1980年代に、こっそり書き換えられたんだよ、という本。
実は累進課税第二次世界大戦の時に形成され、戦後も復興のためにそのままだったわけだけれども、
冷戦終了後、こっそり税法がかわった、というあたり。
 ピケティの本以来、こういう視点が明らかにはなってきた。

田舎はいやらしい

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これもFacebookでの反応結構多かった。書き方は辛辣だが一面の真実を突いている本。

系図でみる驚きの日本史

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なんといいますか「火の鳥」を思い出した(なんのこっちゃ)。

目の見えない人は世界をどう見ているのか

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なんか、常識をひっくり返される気持ちよさでした。

人類学

「働くことの人類学」「はみだしの人類学」「貧乏人の経済学」「その日暮らし」の人類学
この辺は、正調の経済学に対するオルタナティブ経済学、というべきじゃないかと思う。

 Blogには一部しか取り上げていない。
 僕の中でまだ整理がついていないが、是非読んでみられるのをおすすめする。
 ノマドワークとか個人事業主の方には、いい意味で常識を裏切ってくれるかもしれない。

思考の枠を超える

これも書いてないな。ネット時代になって、文筆を主にして世に出る論客は何人かいらっしゃったが、
ここ1〜2年は篠原さんがその役割を担っていると思われる。
エッセイのようで誰でも理解できそうな平易な語り口、なおかつさまざまな話題に「この人の考え方」を敷衍できるタイプの論客。
篠原さんの本、もうちょっと固め打ちにして読んでみようと思った。
田口ランディ内田樹氏のような出方を、今みていると思う。山口周氏もそうかも。
そろそろメディアに目をつけられて、文筆ではなく本人そのものが消費されるフェイズにさしかかる。

婚活戦略

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経済学者が、婚活に挑んだ経験を語る本。めっちゃ面白く、切ない。

20代で得た知見

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クリスプな言葉が続く本。ただ、キレはあるがコクはもう少し。

小説

この部屋から東京タワーは永遠に見えない

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麻布競馬場の現代のアーウィン・ショーのような小説。ツイッターじたて。

双調平家物語

中古で購入して、途中やみになっている。
平家物語なのに五巻くらいまで延々と上古から平安時代の婚姻制度を語っている。
かなり面白いのだが、保元・平治の乱にいくまでで僕は一旦力尽きてしまった。
2023年は後半をちゃんと読もう。

おばちゃんたちのいるところ

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不思議な読み味。男視点で読むと、よくわからない、そのよくわからなさをもう少し噛み締めるべき読後感か。

ジャズ関係

佐藤達哉 「ジャズアルバム大全」

ジャズアルバム大全

ジャズアルバム大全

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これも、ジャズ研的な人は読むべきだと思う。同時に、ここで語られているポストバップのプレイヤー、ちゃんと聴けてないなと反省。

ジャズ・スタンダード

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テッド・ジョイアの、スタンダード網羅本。これもよかった。

今年は、Kindle積読になっていた未読ビジネス書を、結構サルベージして読んでいた。
こういうのは、意外にBlogに載せにくいなあと思う。