最近 山岳ものを続けて読んでいる。
halfboileddoc.hatenablog.com
その時の予告どおり、『Blue Giant』でもお世話になっている石塚真一の『岳』を全巻読み直してみた(連載当時とびとびに読んでいたような気がする)
(以前のブログはこれ)halfboileddoc.hatenablog.com
日本の山岳救助ボランティアをやっている不思議な青年 島崎三歩とその周りの人間模様。
まあ、人が死ぬ死ぬ。
それにしてもこの主人公は、登山の類まれな能力を持っているけれども、一般人としての生活能力はゼロ。衣食住すべて、平地では暮らせないレベルで、本当に人生のすべてを山に賭けているような人で、メンタリティとしても常人のところが全くない。
要するに「いっちゃっている人」。
そのいっちゃってる感は、Blue Giantの主人公「宮本大」と重なるところが大きい。
この作者は、こういうタイプのいっちゃっている人がステレオタイプにあるのだろうと思う。
そういう作者で思いつくのは、曽田正人だ。
『シャカリキ!』『め組の大吾』『カペタ』『昴』
全員、普通の人の生活を完全になげうって、一つのものにリソースを注ぎまくっている。
その結果の異能。やばい人。
異能と引き換えにふつーの人間の生活を捨てているような人を、しかもそれを主人公に据えるという点で、
この二人は似ている(他にいるかな?)
この二人の作者人格形成期に眼前にした、一つのことに賭けている人はどんな人だったんだろうな
……とその見えない人に思いを馳せたりする。
* * *
私は山の経験はあまりない。基本的にはインドアの地霊小人の人間なのだ。
おとなになってから、自転車の転落と交通事故で骨折をしたことはある。
落下の怪我というのは想像するだけでおそろしい。
落下の衝撃で、体の中で何かが損傷するグシャっという音がきっと聞こえるんだろうな。
だからこその、頂上の景色は格別なのだろうが。
村上もとかの若い頃の、山岳マンガ。K2とかローツェとか、でてくる山は結構似ているものだ。連作短編なのであるが、これもまた人が死ぬ死ぬ。