オススメ度 90点
「文化がちがーう!」度 100点
ちょっと前にWebで話題になっていたので買ってみた。
ボルネオで長らくフィールドワークをやっている文化人類学者の人の漫画。作画は別の人。
漫画自体の画は独特である。線の細さ、くっきりさは、相原コージの『勝手にシロクマ』を彷彿とさせる感じ。
しかし、同人誌とみまがうような部分もあったり、なんとも評価しづらいところだ。
ともあれ、文章だけで書いてあるよりはるかに読みやすかったのは確か*1
タイトルの長さはイマドキすぎるよな。
ボルネオでは、既知のヨーロッパ文明、アジアの文明ともやや隔たった価値観によって原始社会が営まれている。*2
個人の所有権というものは、確かに、個人主義が発達してこないと認識はされない。
原始社会と文明社会の差としてはあるあるな話だけど、
所有の放棄は、実際フィールドワークではすごく困るんだろうな。研究のノートとか、ペンとかも悪気なく全部とられてしまうしな。
リーダーも「ビッグマン」の奉仕の精神がないと務まらないらしく、なかなか大変そうだ。
死生観もかなり異なっているようで、難しい。
出生に関する感覚もとことん非科学的で甚だしく違っているのは、なかなか面白いところだが。
死生観に関する話では、私は以前「現在まで残るすべての文明・文化は「死後の世界」を前提として存在している」と書いた。
hanjukudoctor.hatenablog.com
ボルネオの死生観は、それに合致するのかはよくわからなかった。