半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『面白いほど、売れる!魔法のセールストーク』

オススメ度 90点

これはわかりやすい営業の本。

「変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして両者を識別する知恵を与えたまえ」
(ラインホルド・ニーバー)

・売れる営業マンに必要なのは、正しいメソッドとシナリオ。
ということで、営業の一つ一つを要素分解して使えるフレーズや考え方を解説している本。

・「ご検討ください」ではなく「契約ください」
・切り返しのパターンを準備していない営業マンは売れない(5つの保留したい理由)
・さしすせそ(営業の。でもこれ合コン女子のさしすせそと同じ)
・売れる見込みのないところに時間をかけるのは無駄
・客の悩みを具体化させてゆく(掘り下げ)
メラビアンの法則=話し方にこだわらない営業マンは売れない
・長い話はだめ
・アプローチ・プレゼンテーション・クロージング
・3度押し・エレベータートーク
・警戒心はリアクションで攻める
・契約と関係のない意見には100%同意する
・3K「好奇心」「快楽」「危険回避」
・仮定法
・決め打ち「同意+理由+訴求」
・気軽なアポにあとから重みをもたせる
・「ほぐし」
・プレゼンテーション:セットアップ+問題提起+商品説明+誘導
・商談のときの席の位置
・「Yes取り」
・ファーストクロージング
・限定質問を繰り返して悩みを特定する
・「論点固定」
・クロージング
・「友好営業」と「敵対営業」
・極論のサンドイッチ
・「否定誘導」すりかえ
・お客様の「5K」の言い訳
・「一貫性はずし」
・フォローアップ「封入の儀式」。「契約のあとは長居せよ」

↑これはあくまで備忘録で、これを見てもわからない。

うーん、なるほど。
ナンパの教科書みたいなやつと似ている。
というか「恋愛工学」と言われているやつが、営業とかの方法論を下地にしていることがよくわかった。

営業という極めて実践的な場において生み出された「勝ちパターン」を列挙しているわけだが、
底流となっているのは、心理学(特に認知行動療法)、行動経済学の考え方かなあと思う。

自分に置き換えて考えると、私は内科医師なので、外来で生活習慣病の人に薬を開始させたりする時に、同じようなメソッドを使っていることに気がついた。腎不全の患者さんに透析とかの療法選択をしてもらう時、看取りの患者さんの説明、現在服薬ゼロの人に、高血圧の薬なり脂質異常の薬なりを処方する際にも、同様の営業と同じマインドになっていることが多いな。

参考:

この辺は、今回のセールストーク本に似たマインドがうかがえる。

halfboileddoc.hatenablog.com
これは、営業以外での、職場の人間関係とかでの「人にものを頼む」ときの人の動かし方の本。
営業ではないが、底流には同様の人間観察がみてとれる。


halfboileddoc.hatenablog.com

認知行動療法については、いっちゃん簡単なこれを取り上げておきましょう。

(昨年、行動経済学の本をまとめ読みしたけど、Blogにはあげてなかったな…)