オススメ度 100点
とりあえずリファレンス度 100点
チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ
- 作者:エイミー・C・エドモンドソン,Amy C. Edmondson
- 発売日: 2014/05/24
- メディア: 単行本
これは、どこかの経営セミナーで推薦された記憶がある。
チームが機能する、うまくいっているチームの方法論、やり方、態度に対する、総論的な本。
キューバ危機や、チリの炭鉱落盤事故、アポロ13号の事故の時には、素晴らしいチームワークで緊急事態に対応し、素晴らしい成果をおさめることができたが、ではそういう素晴らしいチームワークと、そうでもないチームワーク(失敗事例)を比較しながら、チームワークに必要な要素を概説する、という本。
この前の"Extreme Teams"は、そういう成功事例として、今先進の急成長企業のあり方をロールモデルにしていたが、この本では、歴史に残るような事変に際する政府や政府機関での組織づくり。
まあ、人事制度や給与とか、そういう制度の制約に関する生臭い話は両者とも驚くほど少なく、組織の本質、チーム作りについて書かれる。
固い筆致で、わかりやすさには力点は置かれていないが、豊富な類例もあり、この手のチームワークに関するリファレンスになりうる内容を含むと思う。ただ、アメリカ発の話なので、日本の企業文化における個人の行動様式は少し違う可能性はあるので、若干の修正は必要かもしれない。
* * *
職場の人間関係とか組織作り、チームワークに関する話は、一旦終了。
来週には一旦まとめてみます。
一つのテーマで縛ると、概括することができるので勉強になりましたが、結構疲れる…
しばらくはやらかい本とか漫画ばかり紹介してこーっと。
以下、備忘録:
・成功しているチーミング:「率直に意見をいう」「協働する」「試みる」「省察する」のステップができている(PDCAが回っているということだろうと思う)
・率直に意見がいえる人は少ないし、言える環境を整えることが大切
・試みる=一度でうまくいくことを期待しない
・積極的に意見を言えるかどうかは、無知だと思われる不安、無能だと思われる不安、ネガティブだと思われる不安、邪魔をする人だと思われる不安という4つのイメージリスクに左右される
・心理的安全は社交的かどうかには関係がない。心理的安全と責任で 2x2の表をえがき、それぞれに傾向がある(省略)
・グループや部署での地位が低い人は一般に高い人にくらべて心理的安全度が低い。心理的安全の低い状態に置かれている人は、リーダーの解くエンパワーメントは届かない。
・議論の際に、職位による制限が生まれると、大事な点が会議において語られない危険がある(自由な議論ができるためには、職業や職位による制限をなくすような工夫が必要)
・組織の中間層のリーダーは心理的に安全な組織を生み出す時に重要な役割を果たす
・リーダーのさまざまな姿勢や行動によってメンバーが率直な発言を促されたり、対人リスクをものともしなくなったりすることも明らかになっている。
・心理的安全を高めるためのリーダーの行動(省略)
・罰などは恣意的ではなく公平であることを示す必要がある(心理的安全を保つために必須)。境界を明示してメンバーに責任をもたせる
・失敗から学ぶことがとても大事。
・実行する組織と学習する組織(省略)
・ルーチン業務とイノベーションを行う業務との違い(省略)
(省略)のところは結構重要なのだが、これは本文を参照のこと。