半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

月間文藝春秋ベストセレクション

オススメ度 30点
懐かし度 100点

Amazonオリジナル 創刊九十三年 たった一日だけ販売される 月刊文藝春秋 ベストセレクション

Amazonオリジナル 創刊九十三年 たった一日だけ販売される 月刊文藝春秋 ベストセレクション

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/07/26
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)

ええと、久しぶりに本棚の整理をしていて、2016年に買ったのを思い出しました。
買ったけど、その時は忙しくて、奥の方にまぎれてそのままになっていたのを読んでみたわけです。
片付けの時にやってはいけない行動ベストスリーに入るやつ。
はい「整理しようとする本棚の本に読みふけってしまう」です。

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こんな感じのA4サイズムックでした。


この本はAmazonオリジナルの、昔の文藝春秋の過去記事トリビュート。
Kindleで同じものがでているかどうかは知らない。

天皇陛下大いに笑う」は、昭和24年に、昭和天皇に三人の文人が拝謁した時の感想記。
なんでもない記事のように見えて、こういう記事で人間天皇の人となりを知ることができた、という人は案外多かったようで、
記事は売れたし、戦後の昭和天皇のイメージづくりの援護射撃には相当なったらしい。
ただ、まあ記事そのものはかなりたわいなくくだらない。
拝謁した三人が「あんときは緊張したよなー!」みたいな感じで語っているだけ。
ただ、その当時は「天皇に関して、意味のない情報が公開される」ということに大きな意味があったんだろう。

あとは、戦後感あるかたがたの回想記。
白洲次郎、オットー・フランク(アンネ・フランクの父)とか、

芸能人や経済人の手記。芸能人は石原裕次郎、森光子。経済人は本田宗一郎(HONDA)、松下幸之助(National)、井深大Sony)など。

あとは、スキャンダルものとしては、田中角栄研究(立花隆)、大殺界細木数子の正体(佐野眞一
田中角栄の記事は、実際に田中内閣退陣のきっかけになった戦後史の中でも重要な記事。
 記事そのものは淡々と事実の列挙だと思うが、当時は「ここまで明らかにするんだ…」という衝撃はあっただろうな。
また、細木数子は、今に至るまで生き延びているけれども、最初の大流行時の時点で振り返った半生は真っ黒。なかなか香ばしい人生であるように思う。

という昭和に育った中年男としては、なかなか楽しく読むことができたけれども、例えば息子娘に読ませても得られるものはないように思われる。平成生まれの人にも、多分意味はないのかなあ。
昭和は遠くなりにけり。