ちょっと前のこの記事、これに深く共感したのだ(しかし消えている!)
https://news.yahoo.co.jp/articles/82438f04e790782a9df2eaaf1bd8db27e5524e73news.yahoo.co.jp
ではこちらを。
www.huffingtonpost.jp
「戦争なんだからしょうがない」というのは、チェスの駒を動かす超大国の指導者視点。だけど、俺たち日本人は、チェスを指す側じゃなく、動かされる「駒」なんですよ。それを忘れちゃいけない。
紹介されているこの本を読んでみた。
2022年9月、脱稿までのウクライナ戦争のまとめ。
これからどうなるか不確定要素の多い中での出版は学者として勇気のいる行為だけど、それをせざるをえない誠実さが、この人にはあると思った。
予想・分析が当たった部分外れた部分も正直に披露し、その根拠もきちんと説明している。
ロシア情勢について私は門外漢だけど、思考プロセスと書き方とを見る限り、この人の言は信じようと思う。
* * *
軍事学の観点では、この戦争は、新しいテクノロジーは使われるものの、基本的には「古い戦争」。
古い戦争?新しい戦争?
アメリカが提唱する「ハイブリッド戦争」という概念、対してロシアの軍事理論にも「新型戦争」「新世代戦争」がある。
ちなみに中国にも「超限戦」という軍事理論がある。
halfboileddoc.hatenablog.com
大国同士がお互いの絶滅を志す古典的な「全体戦争」は21世紀にはないと思われていた。
だからこそ戦域に止まらないソフトの領域まで拡張された「見えない戦争」、これが新しい戦争の形になる。
かつての世界大戦のような暴力闘争は、さすがに起こらないでしょ。
これが僕らの常識だったわけだ。
だがウクライナ戦争は、そうした21世紀の惰弱な我々の既成概念をぶっこわした。
去年2月のあの事変が衝撃を与えたのは、そういうことだ。World Warは、また起こりうる。
そうなると高烈度の戦争に対処できる能力がなければ、抑止力になりえない。
つまり今の自衛隊では抑止力としては不安がある*1
戦争の初期段階(IPW)での継戦能力の見積りが甘い。
ということで、これが、今議論されている我が国の防衛費の増加の根拠だ。
実際、僕が中国なら、もし極東で軍事行動を起こすなら、日本で大災害が起こるタイミングを狙う。
自衛隊やアメリカ海兵隊が、災害救助で、マンパワーを削がれ、哨戒線が機能していない時を狙う。
そこそこの頻度で災害起こっているし、そんなに長く待たなきゃいけないとは思わない。
「敵に塩を送る」上杉謙信が称揚される日本では、そういう発想はないけれど、
そんな綺麗事ではない。自軍の戦死者を減らしたければ、それくらいはやるだろう。
そもそもルールブックに違反とはなっていないのだから。*2