半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『対峙力』寺田有希

オススメ度 90点
人間「私はスターじゃない」と思ってからが長い度 100点

私も家でテレビを見ることはめっきりと減って、もっぱらスマホタブレット、職場でPCにてYoutubeやアマプラを観ている。

ホリエモンチャンネルとか、Newspicksとか観たりもしているが、ホリエモンの傍らにいる寺田有希さんの本。
寺田有希さんは『ベンチャー女優』という呼称を自分でつけているけど、フリーランス活動をしていて、こういう司会や対談のインタビュアー。その他舞台や歌など、幅広く今は活動なさっていらっしゃる。

ちっちゃくて、お顔なんかもツルピカで、まるでお人形さんみたいだなあ、
もう、いうなれば、プリンセス・プリンプリンみたいだなあ(歳上の人しかわからないな…)と思っていた。

この本は寺田さんの今までの足跡と、考えてきたこと、仕事の際に気をつけているコツのようなものを惜しみなく書いた本。
これがね、かなりいい。

ホリプロスカウトキャラバンをきっかけに女優・タレントの卵としてキャリアをスタートさせたのだが、今ひとつうまく行かず、22歳のときに、事務所からクビ宣告をうけて、バイト生活に入る。
そこから、今のポジションを確立するまでの経緯、そのいきさつのなかで自分の仕事に対する考え方が変わっていったことなどが語られる。

一人の才能をもった女性が、挫折し、そこから自己を振り返り、幸運もあるけれども、一つ一つのチャンスを大事にしながら自分の居場所を確立してゆくビルドゥングス・ロマンとしても結構感動的だ。苦労されたんだなあ……としみじみするね。

現在主戦場である、インタビュアー、司会進行などの、仕事のやり方、(台本を作るよりはざっくりしたチェックリストを作って、その場の流れも大事にしつつ、全体を俯瞰しておくなど)、ゴールの設定の仕方とか、相手の特性の掴み方やその対応方法、場の読み方など、場の空気の作り方とか、当たり前といえば当たり前なんだけど、かなり要点を掴んだTIPSが語られている。

あと、間が空いてしまったときのストックの蓄え方、自分のターンに話題を変えるときのコツとか、
褒め方。苦手な人・苦手な話題との対応方法とか。
自己紹介では、最大限周りの人の話を聞くこと!(自己紹介は他人のターンに集中!)
終わった後の反省なども、仕事人としてのリアルな生きざまが垣間見える。

スターになれなくても「必要とされる人」になることができます

22歳で一旦挫折し、そのあとホリエモンチャンネルでいろんな分野でずば抜けた成功をおさめる、スタータイプの人たちを目の前にし続けてきた寺田さん。

そういう人と比べると、萎縮したり卑下してしまうけど、全員がスターになる必要はないし、チームの先頭に立って「こっちだよ」と旗を振れる人じゃなくてもよくて。
誰にでも必ずなにかの才能があります。その才能を活かすことで、必要な一角になることはできると思うのです。

可愛らしいルックスではあるけど、必死に仕事をしてきた重みが、この方にはきちんとあるね。
読んだら割と元気でるタイプの本でした。

この本にも通じるかも。
halfboileddoc.hatenablog.com