オススメ度 100点
ドラマ見そびれた度 100点
一人でのロングドライブの時には主にYoutubeに残っている『ハライチのターン』を聴きながら移動している。
ちょっと前にハライチ澤部が、ドラマ『テセウスの船』の最終回だけ出演していた、みたいな話を得々としていた。
ドラマは見そびれてしまったので、代わりに原作コミックを読む。*1
大変面白い。
殺人事件とタイムスリップもの。そういう意味では『僕だけがいない街』にやや似ている感じはある。
『僕だけがいない街』では主人公が、現代の視点から、事件の起こる直前の小学生の当時の自分にタイムスリップする。
意識だけが現代の自分であり、小学生としてその時代にいるので、タイムスリップというよりは『タイムループもの』とでも言った方がいいのかもしれない。
後世になって発表された事実から、誰かわからない真犯人の裏をかこうとするのがとても面白い。
なんとなくこういう、主人公は外見上変化がないのに、知識を得て動きが変わる、というのは「トルネコの大冒険」みたいな感じがあるな。
一方『テセウスの船』は、元警官の父が大量殺人犯として収監され、家族はバラバラになってしまっている主人公が、事件直前の現場近くに、タイムスリップする。
タイムスリップした主人公は未来から来た、何も身分証明を持たない若者ということになる。そこで警官の父と協力して、事件解決をしようと足掻く。
その時代にいないはずの人間は、例えば職質された時点でアウトなわけで、非常にスリリングではある。
現代と事件当時、行ったり来たりし、その都度、パラレルワールドがすこしずつ変わっていく。
このあたりは映画「バタフライ・エフェクト」みたいで面白い。
二作とも、ストーリーテリングも重厚であり、大変見応えのある漫画であった。
それにしても、『殺人犯容疑者の家族』が、日本的なムラ社会で徹底的に排斥され家庭がめちゃめちゃになる様が、さりげなく描かれていて、とてつもなく重いね。
ただ、タイトルは哲学的用語なのだが、この漫画のストーリーの芯を食ったネーミングではないかなあと、少し思った。
でもいいタイトルだとは思います。
*1:これも、澤部「面白いから絶対読んでみろって、」岩井「絶対読まねえ!」のやりとりがよかった。コンビ仲がいいっていいよね。