オススメ度 70点
教科書度 70点
- 作者:本村 凌二
- 発売日: 2014/06/02
- メディア: 新書
入門としては適切だが、その分熱量に欠ける印象はある。
まあ、がっつりローマのことを知りたければ、ギボン『ローマ帝国衰亡史』か、塩野七生『ローマ人の物語』が、今なら一番いいだろうとは思う。この本は、そういう本と教科書の間くらいの、いい感じに通観できる本。
・人類は一度、古代ローマで豊かさのピークを経験し、その後その水準に戻すまでに千数百年もの歳月を要した。
・ローマ人は「祖国」を発明した人々
・クリエンテスとパトローネスの関係
・古代には三権分立はなかった
・護民官の「身体不可侵特権」
・ギリシャの政治循環:独裁→王政→貴族政→僭主政→民主政→衆愚政→独裁政、ローマは独裁・貴族政・民主政が、共和政という大きな枠組みの中で循環していた。
実際、ローマの黎明期に作られた軍隊の制度、政治の制度などの、属人性を廃したシステム造りは、ちょっと古代とは思えないレベルである。めっちゃモダニズム。シュメール人と同じく「チートなんじゃねえの?」と思ったりもする。