生活者としての当時代人の生活(主に衣食住に関するところ)を、24時間に区切って、朝起きてから寝るまでを活写した、という体裁の本。
元ネタは、後者の「ローマ人」。
同じスキームで古代中国版を書いたのが前者。
NHKにも『タイムスクープハンター』とかありましたけど、雰囲気としてはあれに近いかも。
別の時代を生活者のレベルで親しむのは、その時代に通暁していないといけない。
そのため、歴史学者の目を借りて、現代人との地続き感の生活者の視点が得られるのがこの形態のいいところ。
まずは、衣食住などの目に見えるもの。
そして、社会システムや政治機構などへの説明。
そして、常識とか現代人との考え方の違い。
そういった様々なものを「二十四時間観察」という体裁で適度にシャッフルして紹介するから飽きない。
エンタメとしての古代史。
考えてみたら、ローマ人とか古代中国人の生活史とか、別に今の我々にとっては完全に不要な知識だし。
ま、言ってみれば「地球の歩き方・古代ローマと古代中国」というやつである。
そして、古代ローマや古代中国には、絶対行かないわけである。
読んだ内容にも面白い部分がかなりあったが、これは一読されたし、と結んでおこう。