オススメ度 100点
「んなぁ…」発明のすばらしさ度 100点
1月に、映画が公開されたっつーって、TwitterやFacebookのコアな友人たちが感想をあげているので、気になって、
まずはコミックを、ついでアニメを観てみた。
お、おぉー……
おぉ〜。
続きが気になる〜。
なんでしょう、アビスというわけのわからないものを生み出せたことで、この物語は成功していると思われる。
最近は「異世界転生」もの、とか多いじゃないですか。
これって、ファンタジー世界のバックグラウンドが、まるでRPGのゲームのルールのもとで存在しているような描かれ方なんですよ。
コンピュータゲームのRPGが普及する前、ファンタジーというのはもっと非論理的で怪談とか怪異譚のような、理屈の間尺に合わないものだった。
ナルニア国だって、指輪物語だって、クトウルフとかだって、デカルト平面がある我々の現実世界と物理法則が全く同じ世界であるという前提はない。
よくわからない何かの余白があるのが、幻想文学の真骨頂だったはずなのに。
「異世界転生」で転生される世界は、ゲームのファンタジー世界なんだよね。
アビスは、そういった幻想文学の原点に回帰し、「わけわからない偉大な存在」というものを描くのに成功しているように思われる。
そして、別の世界のルールで登場人物が動いているのもいい。
(背景設定資料はきちんと作ってあるんだろうが、全てを露わにせず、このわけのわからない世界のなかで、主人公達の地獄めぐりが虫瞰的で、素晴らしいと思う)
アビスの自然のありようとか、そういうのは古典SF「地球の長い午後」の感じに似ていると思った。
- 作者:ブライアン W.オールディス
- 発売日: 1977/01/28
- メディア: 文庫
あとは、サブキャラクターのナナチがよかった。
特に「んなぁ…」という口癖ね。
んなぁ、ってすごいよね。自分も口癖にしちゃおうかな、って思わせる。
すごい発明ですね。サムい、とか、ほぼほぼ、とかと同じく一般社会でもすんなり溶け込めそうな感じがある。
それに対して、「度し難い」は、使うとちょっとアレな感じがしてしまうなあと思った。
アニメは原作に忠実な感じで、クオリティも高いと思いました。