オススメ度 70点
院長の公私混同ぶりに若干憧れ抱いた度 80点
- 作者: 中島らも
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/07/20
- メディア: 文庫
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Kindleの日替わりセールで99円で売られていた。
中島らもの、著作というか、脚本のノベライズ。
若干隔絶された孤島で、様々な社会人の大人が子供時代になりきって生活をする。
藤子不二雄FのSF短編集にあるような導入部だ。
これは何かのセラピーで、そう演じることが、クライアントのストレスコントロールにいい、ということのようだ。
そんな中で、フラットな人間関係からはじまるなか、ワンマン社長が一人王様然と振る舞うように関係性がかわっていく。
(このあたり、『蠅の王』っぽい)
それに対抗すべく、皆が、共通した架空の人物の知り合いを捏造し、社長を疎外し話を盛り上げることで社長を仲間はずれにし、疎外感を味あわわせる。
しかしそれに気づいた社長が…
みたいなところから後半はホラーというか、スプラッターというか、そんな展開になってゆく。
* * *
B級ホラーの習作のような感じでした。
さらりと読める。
もともと脚本として書かれたようだが、劇だったらこの展開の不条理さも気にならないだろうが、小説としては、いろいろ整合性が気になった。
多分、演劇だったら、最後カーテンコールで出演者が再登場してなんかええもんみたなあ…という感じになるんでしょうね。
演劇中演劇みたいなやつだし、割とみている分には多義性もあるし。
このセラピーをプロデュースしている院長は、釣りや狩猟をたしなみ、アウトドアを満喫しているようで、ちょっと羨ましいなと思いました。
AmazonのKindle日替わりセール、しかし扱いは古本屋の店頭に平積みにされている百円均一セールのようでもあった。
媒体がどうかわったとしても、ぞんざいに扱われるときはぞんざいにあつかわれる。