半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『自作の小屋で暮らそう』

コロナで、どちらかというと都市の稠密性から距離を置く風潮が加速する雰囲気もあり、そんな中で、Kindle 日替わりセールで取り上げられた一冊。
Bライフと称した、山間地で一人暮らしの小屋ぐらしをしている人の、経験談とノウハウ紹介。

最近は「小屋」の建売販売も結構多くなっていて、割ときれいな出来合いの小屋を200-300万で入手することもできる時代。
しかしこの人は、以前にホームレスをしたこともあるというくらいで、気合が違う。全部自分で作っちゃう。

山間の自分の土地を買うこと、下水を引かずにうまくやる工夫。
電気、をどうするか。がっつり電気を使うのか、それとも簡易的なソーラー発電システムで間に合わせるのか。
冷蔵庫のない生活は実際どうなのか。


我々認識とは異なり、夏より冬のほうが山小屋ライフは快適なんだそうだ。
つまり、多くの生き物が生きられない気温の中で、文明の恩恵にあずかって巧みに暖をとりつつ、食べ物は外部から調達するほうが住みやすい。
夏は、他の生物の生命力も旺盛なので、虫や腐敗との戦いになるから大変なんだって。

また省エネルギーのデジタル機器はオフグリッド生活の味方になるというのも、発展途上国と同じで、これもおもしろかった。
日本は低所得者に優しい社会保障・税制度でもあるので、こういう生活は決して悪くはないらしい。

基本的には今後限界集落となるような山間部とでも、こういったオフグリッド生活を前提としないといけない。
商業ベースで、村落ベースでこのようなオフグリッドインフラのパッケージを提供される日は近いと思う。要するに自治体の義務ではなくなる日がいずれ来る。