描写の繊細さ度 120点。
謎度 80点
『恋は雨上がりのように』で中年男性と高校生とのほろ苦い淡い恋愛を描いた眉月じゅん。
絵柄としては、少女漫画のような大きな目をもつ女性キャラに、いささか違和感を感じるのだが、心理描写などは少女漫画の流れをくむのだと思うが、細やかで、実ににくいところをついてくる。
そんな眉月じゅんの、次作は、昔の九龍城砦のようなところで不動産業をやっている男性職員と女性職員。
当初は、九龍城砦のようなところでの日本人の働き手の異国での暮らしを描写しているのだと思っていた。
主人公は女性なのだが、同僚の男性職員のいろいろな行動や言動から、少しずつ自分の彼への好意を認識してゆく。
この辺の距離を一歩一歩詰めるような関係性は『恋は雨上がりのように』と同様の甘酸っぱさがあるのだが、今回はそこからもうひとひねり、ストーリーは展開していく。
実は女性職員には、過去の記憶がなく、男性が昔付き合っていた女性は、主人公と全く同一人物であった。
そもそも九龍城砦というのも、一度取り壊された九龍城砦とは似て非なるもののようだし、上空には1Q84 の月のように、よくわからない人工衛星が浮かんでいるのだ。
徐々に手のうちを明かされ、ストーリーはこれから転がりだすのだろうが、色々うまい。
背景のストーリーはどうなっているのだろう?世界の秘密は明かされていない。
続きが読みたくなる。
手足の細い巨乳女性のチャイナドレスはとても破壊力が強いけれども、喫煙については個人的にはNGなので、そこは残念ではあるかなあ。