オススメ度 80点
でも他の本に「はっきりいって田舎です」って書いてあったしなあ度 100点

- 作者: 堀内都喜子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/07/17
- メディア: 新書
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OECD教育で一位になったフィンランドの暮らしはどうか、という話。
著者はフィンランドに暮らして長い人。
以下、素描。
フィンランドの歴史。
1990年代には経済破綻、そこからの回復過程。
結局のところこういうのをみていると、日本は1980年代に成功しすぎて、そこから世界のトレンドに乗れてないよなあ、という感を強くする。
フィンランドの働きかた:ドイツなどの西ヨーロッパ諸国のものに似ている。アメリカなどとは違って基本的には几帳面っぽい。
静かな国であるということ。
サウナとなると目がないこと。
フィンランドの国民性は、ストレート、効率の良さ、フランクで平等。
その分生真面目。
教育は自分で考える力をつけさせる。詰め込みではない部分が大きい。
スウェーデンの文化紹介。
新書の役割としては、ちょうどいいものだった。
医療・介護、それから教育制度に関しては、しかし国民性が違い過ぎて、
なかなかこれを日本にもってくるのは難しいよなあ、と思った。いくらOECDでの学力ナンバーワンといってもね。
あと、基本氷点下の暮らしは、厳しいよなあ。それできるくらいだったら夕張行って地域診療するわ…
でもこういう別の国との比較で、日本的常識の枠を一つか二つとりさることができたらいいんだろうとは思う。
常識って、それが全くない別の国をみないと「あ、これはやめてもいいんだ」と得心がいかないものかもしれない。
今の日本は思考が硬直化しすぎていて、さらに意思決定が遅すぎる。
これでは21世紀のイノベーションからどんどん取り残されていく。
卑近な例だが、社内のムダだってそうだ。別の会社で、そのルールなしで十分回っているさまを目の当たりにしないと(させないと)改革ってすすまないものだ。
でもそうすると、和魂洋才効果というか、表層的な面ばかり取り入れたりして…むずかしいもんです。