- 作者: バクシーシ山下
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 1995/07
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ブルータスとか男性週刊誌で、時々「本を読もう」みたいな本特集号がでたりします。定期的に。
でそういう本特集ではいくつかオススメの本が取り上げられています。紹介文がびびっとくれば、アマゾンでポチリと押して買うということを時々します。今回もそれ。古本で単行本。なんかサブカルっぽい本の紹介でとりあげられていたので、Amazonのマーケットプレイスで購入しました。
妻子ありの自宅に、これ送りつけて平然としている僕の神経もどうかと思う。
これがオヤジ化ってことなのか。
僕はAVについてはそんなに詳しくはなく、人並み程度の知識しかない。普通〜やや強めだが嗜好はノーマルの性欲を持つ男子にとって、特殊AVというのは、あまり触れる機会がなかった。
だから、紹介されている作品には全く馴染みがなかったのだけれども、監督が語る自作紹介を読むだけでも十分おもしろかった。
この人、使っている男優や女優に対してものすごく冷静なんですよね、視線が。
ちょっと冷たすぎるといってもいいくらい。
その「寸鉄人を刺す感」がすごい味になっています。
性行為は単に穴に棒を入れる行為ですが、そこには社会的な意味が付与されていて、それこそ一言では語り尽くせないブラックボックスなわけです。ブラックボックスの解明は難しいわけですが、ブラックボックス、ですから、変なインプットをすれば変なアウトプットがでてくるわけです。山下氏のAVは、例えば紛争地域での民族浄化運動などでみられる強姦(あれは単なる性欲でやっているのではなく、もっとアイデンティティの崩壊とか屈辱感を与えるためにやっているわけです)と同じく、ブラックボックスに対する極端な数値の入力を想起させる。