半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『世界を動かす巨人たち<経済人編>』

オススメ度 60点

わかりやすく、紹介する。
という池上彰らしさ溢れる本。

池上彰のビジネスモデルって、既視感あるなと思ったら、アイザック・アシモフの短編「死せる過去」に、ジェネラル・サイエンティストとでもいうべき、広く浅くいろいろな分野に通暁し、一般の人にわかりやすく説明するサイエンスライターがいた。
そういうやつ。

現代では専門家は狭く深くが必須条件であるが、池上彰はいい意味で広く浅く紹介する*1。こういう人は、確かに世の中に必要だし、池上氏はそういうカテゴリーに括られる人の中では、多分良心的な方だとは思う。

この本は、広く浅く「現代の顔」になりうるビジネスマン11人をとりあげて紹介している。
まあ、教養書の類やね。
「広く浅く」だけあって、今までビジネス書とか自己啓発本とかでみたことがある知識がほとんどで新奇さはなかった。
ま、知らない人は読んで必須栄養素を補充すればええんちゃう?て感じ。

平易に書いてあるし、偏った視点でもないことは確か。
知らなければ効率よく知識を得られると思いますね。
この本には「政治家編」もあるのですが、それはまた興味があれば……。

『世界を変えた10の本』
オススメ度 70点

ついでですが、以前に読んだこれも紹介しておきましょう。
これは世界の展開点になったような影響の大きい本をとりあげています。
「聖書」「コーラン」などの宗教関係の本や「資本論マックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」とか、そういうやつですね。
ミルトン・フリードマンとかも入っていて、新しい時代にも対応できている。

「本」はまあ、僕本好きだし。
こっちの方がまあ、オススメかも。
「世界を動かす巨人」は「今」の話。
20年後には陳腐になっていると思うけれど、こちらの方はまずもってオールタイムベストだとは思うから。

あ、しかしこれを出すなら
『世界を変えた本』

世界を変えた本

世界を変えた本

もあげといた方がいいかしら。
これは、図説というか、世界史的に有名な本の実物をとりあげている豪華図鑑。
まあこれは、本棚に飾ってイバリの効く本が欲しいという、極めて不純な動機で買いました。
エジプトの「死者の書」から始まって、歴史的に有名な本が取り上げられてます。
その装丁も含めてよくわかる。本の進化みたいなものがよくわかるわけです。
ま、昔は大量製本がない時代は本は宝だったわけで、装丁に宝石とかあしらわれてたりして、
ちょっとした金持っているオバ様のメガネみたいな感じに下品ですけどね。

*1:最近は、立場によるマウンティングもあるといわれているけれどね