- 作者: 辻仁成
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1992/05/01
- メディア: 文庫
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古本屋で105円で購入。残念ですが辻やんには印税は支払われない。
うーん。
人生の中で特定の時期の人間には、激しく共感を呼び起こすかもしれないんですけれども、僕にはあんまり。読んだ時期もちょっと時期を外れていたし(僕もうおっさん)。それに、僕ねえ、こういう子供じゃなかったからなあ。
文体としては、80年代に多かった(今でもか?)改行の多いやつ。のっけから、
ざらついた空気が、
から書き出しだもん。これはブブーですよ。スタイリッシュな文体?いや、ところどころひどく通俗的なフレーズが目につく。Kusakabeさんに、「ざらついた空気ってなんですか」と聞きかえされちゃうと思う。
だけど、いわゆる青春文学って、そういうもんだろうなあというのも真実で、ひどく格好良くて格好悪いのが青春の本質だと思うし、たとえば石原慎太郎の『太陽の季節』はこの作品を圧倒的に凌駕しているかというと、そうともいえない。