半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

スピンオフ作品 北斗の拳とドラゴンボールと

Kindle版はコチラ。

なんとなくKindleでおすすめされて購入。
80-90年代のジャンプ黄金時代の金字塔『北斗の拳』、そのスピンオフ作品。
拳王軍にたまたま入隊したふつーの村人がみたものは……。

ええと、はい。大体予想通り。
1ミリたりとも予想を裏切らないやつです。
どうかなー。2巻が出たとして、買うだろうか。アーカイブに入れていて、読み返すかなー*1

読み味としては、同じく悪役側の日常を書いたものとして『中間管理録トネガワ』に近い。

中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)

中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)

読み味が似ているのは、多分シチュエーションコメディっぽい感じと、大いなるマンネリズムで、そのマンネリが、いい意味で天丼っぽく作用してそこはかとなく面白いところだろう。

ちなみに同時期のジャンプ黄金時代の『ドラゴンボール』にも
転生したらヤムチャだった件』というのがある。

(Kindle版)これはきちんとストーリーが進むタイプのやつだった。

これら一連の作品は、敵方には敵方の事情があるし、主人公以外の立場をもっと忖度しようよという風にも読み取れる。つまりは文化相対主義のようなものか。
そう思うと、懐が深い話のようでもあるが、そういう崇高な感じでもなくて、
いわゆる同人誌の二次創作が商業誌に進出してきた、というのが正直なところだろう。

右手で卓球していたけど、飽きて左手で卓球したら、意外と楽しめた、という風にも見える。

しかし我々、過去のすばらしいコンテンツに縛られすぎていないか。
確かに一時代前のジャンプ黄金時代のコンテンツは今も色あせず燦然と輝いている。
それのパロディも、別に悪かない。
僕だって嬉しい。

だけど、他国、アジア北米ヨーロッパで、今、未来に向かって新しいなにかを生み出そうとしているクリエイターに比べると、どうしても「それでいいのか」という思いもする。

しかし楽しんでおいてそういうことをいう僕も、いかがなものか。
若い風俗嬢に説教するオヤジ程度に見苦しい。

*1:しかし北斗の拳スピンオフは、『北斗の拳 イチゴ味』というのがあるんですね。また読みます。