フロントにTom Harrell(tp)とGary Smulyan(bsx)を擁した二管構成。ちょっと特殊なこの構成は、Lee Morganの"Cooker"とか、Half-Note Cafeの"Donald Byrd"とか、意外と由緒あるもんなんだよね。ちょっとゴリっとしたサウンドになるので、僕は結構好きです。
Gary Smulyanという人僕はよく知らないが、間違いなくこちらの系譜だと思う。間違ってもChet BakerとGerry Mulligunの方ではない。
……、このCD、ブラインドで聴かせて「リーダー当てクイズ」したら、八割くらいはトムハレルと答えそうな気がする。ピアノが全然印象にのぼらない。バッキングは貞淑(?)だし、ソロで出しゃばったりもしない。弾き倒したりもしない。
ジャッキー・テラソンとかミシェル・カミロとか「俺が俺がピアノ」を聞き慣れると、とてもあっさり味に思えてしまう。そんなに自己主張しなさすぎて、いいのか。
なんか、学生のバンドで、人柄がよくてリーダーになっている無口なピアノ弾きを思い浮かべてしまった。3回生に混じって一人だけ4回生、とか。
サウンド的には孫悟空がお釈迦様の手のひらの上から逃げられないように、クリスクロスサウンドのイメージからは一歩も外に出ていません。以上。