半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

Wataru Hamasaki and Shigeo Fukuda, ”Rachel's Lament”

オススメ度 100点

レイチェルズラメント

レイチェルズラメント

浜崎航さんは、名古屋市大の医学部を卒業後、プロミュージシャンの世界に進んだ方。今では日本を代表するサックスの一人になった。
プライベートでは、海を愛し、車を愛し、最近はゴルフも愛している。
福田重男さんは、重鎮のピアニスト。洒脱、という言葉がもっともよく似合うジャズマンだろう。
伊達男二人の共演盤。

この前レコ発記念ツアーに来られていて、ライブも聴かせてもらった。
福田重男さんの、高度なインプロヴィゼーションでありながら、同時にぬくもり感もあるフレーズとボイシング。浜崎さんは、クラシックのサックスか、とも思える艶のある音色に驚かされる。ときにやさしく、ときに激しいフレージング。持ち替えたフルートも、軽やかに音を紡ぐ。二人なのに、二人だからこそ、広がりと余白を感じるサウンドである。

いや、堪能しました。すごかった。

Tom Harrellの"Sail Away"とRoland Hanna "Wistful Moment"、Bill Evansの"Comrade conrad"というゲキ渋のスタンダードと、あとはオリジナル曲。浜崎航のアルバムは、基本的に、選曲の偏差値が高い。
海に関する曲は、フルート指数が高かったなぁ…とは思いました。

Stan Getzも好きな浜崎氏は、Kenny BarronとStan Getzの"People Time"などがロールモデルにあるのかもしれない。
ピアノとのデュオアルバムが意外に多く、キャリアの要所要所で、PianoとのDuo盤をいくつも作っている。

The Single Petal Of A Rose

The Single Petal Of A Rose

イン・ア・センチメンタル・ムード

イン・ア・センチメンタル・ムード

これまた若手の俊英、片倉真由子と、Duke Ellingtonの曲ばっかりやるユニットを数年前からやっているが、今までアルバムは二枚でている。
どの曲も二人のピリピリとしたテンションが感じられ、非常にききごたえがある。

I'm Through With Love

I'm Through With Love

  • アーティスト: 堀秀彰&浜崎航 DUO,Hideaki Hori & Wataru Hamasaki DUO,堀秀彰,浜崎航
  • 出版社/メーカー: BQ Records
  • 発売日: 2012/05/17
  • メディア: CD
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これまた若手の盟友、堀秀彰さんとのDuo。
堀秀彰と浜崎航は、これまた強力なリズム、高瀬裕、広瀬順次の四人で結成した”Encounter”というバンドで活動している。ワンホーンのカルテットという古典的な編成ながら、ジャズにあまり馴染みがない層にも訴求すべくサウンドを追求しているバンドだ。僕も「あんまりジャズ馴染みないんですぅ〜」という女子には、とりあえずEncounterを紹介している。わかりやすくカッコいいからだ。
このアルバムは堀さんらしさ、浜崎さんらしさが、またEncounterとは別の形で発露した好盤だ。選曲もよく、アルバムの雰囲気もよい。
halfboileddoc.hatenablog.com

Conversation

Conversation

こちらは、活動初期に作られたもの。日本在住も長い渋いピアニスト Philip Strange氏とのDuo。
スタンダード多めで、まだ発展途上感はあるが、やはり素晴らしい。