半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

"I'm through with love" 浜崎航&堀秀彰

I'm Through With Love

I'm Through With Love

  • アーティスト: 堀秀彰&浜崎航 DUO,Hideaki Hori & Wataru Hamasaki DUO,堀秀彰,浜崎航
  • 出版社/メーカー: BQ Records
  • 発売日: 2012/05/17
  • メディア: CD
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我が師匠浜崎さんのデュオアルバム。
浜崎さんには、この他 Philip Strangeとの共作"Conversation", 片倉真由子さんとの共作
”Single petal of a rose -Duke Ellington Song Book” がある。
今回の作品は、これはこれで非常に趣きがある一枚でした。

Encounterというバンドで長く時間を共有している二人が、敢えてオリジナルを避けてStandard (だったり、尊敬するミュージシャンの曲だったり)を演奏してみた一枚。

基本に立ち返るというか、出発点の確認というか。
ひとことでいうと、大変教養の深い選曲だと思う。
「ベタな選曲」というのがない。

また、この曲を選んで、こういう風に演奏したい、というのが明確であるように思いました。
こういう幅広い選曲って、ローカルミュージシャンのライブでも散見されますが、やはり比べると実力としては頭抜けていますよね。すんげえなあと思う。

ジャケット写の浜崎さんのポージングは、ちょっとかっこ付け過ぎやろとも思うし、逆に裏面の堀さんはちょうどライブの途中の写真なんでしょうが、髪型がペッタリしておりまして、「魔法使いサリー」のカブ然としている。
 二人のルックスギャップはなんだ、という気はします。

それにしても、こういうDuoの、比重というか、「どっちがえらいか」みたいななのは、いつも考えてしまう。昔懐かしの染之助染太郎「これでギャラはおんなじ!」的な台詞を適用したい気はするね。

ピアノとサックスのDuo、確かにピアノの比重はリズムセクションすべてを包含するのでサウンドにおける比重は大きくなる。音数あたり幾らで計算するとピアノの方が全然音が多い。けれども、それでもソロピアノにない重要なメロディーラインを付与するという意味では、サックスもとても重要だし。

そういうもろもろを踏まえた上で、やはり二人が対等の関係を結んでいると考えるべきなんでしょうね。何にせよ、私にとっては、こういう音を、死ぬまでに一度でもだせたらなあと思う目標の一つです。あと、選曲というのも大事であると改めて思いました。