- アーティスト: ドン・フリードマン VIPトリオ
- 出版社/メーカー: ヴィレッジ・レコード
- 発売日: 2005/05/18
- メディア: CD
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これもアマゾンで購入。中古というか、新古品というか、そういうものです。
まず、軽くつっこみを入れたいのは「VIPトリオってなんやねん?」というところ。これは日本企画盤なのですが、VIPトリオなんてこっぱずかしい名前は一体誰がつけたのか。でもまぁ、この系譜としては「Great Jazz Trio」っていうのもあるしな。
うーん、改めて考えるとグレートジャズトリオってすごい名前ですよね。自分で「グレート」って言うか?軽くいらっとさせられる名前という点で共通なこの二つのバンドは、サウンド的にも共通点があるように思います*1。
うん、このCD、ものすごくわかりやすくいうと、Great Jazz Trioなんですよ。雰囲気が。
まず選曲。選曲は正直それほど悪くはないんですが、Great Jazz Trioと同じ方法論で、やや「バイショーっ気」がありすぎるように思いました。「こういうのがお前ら好きなんだろ?」みたいにいわれているみたいで。まーそうですよ。好きな曲ですよ。でも分かりやすい、いい曲や美メロみたいなんを狙いすぎに思う。
ドン・フリードマン氏のピアノは悪くないです。この人はバリバリアメリカの人なのに、どことなく北欧系ジャズの香りがします。黒っぽさがすくない、ということなんでしょうか。
それはそうと、僕の信条は「ピアノトリオのドラマーの腕の数はせいぜい二本まで」なんですが、このCDはその点でやや残念なんですよね。
え?腕二本?当たり前?
でもね、例えば前述したGreat Jazz trioのTony Williamsなどは、まあいうなれば千手観音みたいなドラミングなんですよ。とても腕が二本しかないとは思えないような腕の使い方をして、実際そういう音がでる。
でも、それは、こういうピアノトリオに置いてはあまりいい風には作用しない。例えば二管のイケイケハードバップバンドなら、そういうドラムがしっくりくるんですけれども、ピアノをピアノらしく聴かせるバンドにおいては、あまり叩きたおし系のドラムはノイズになりかねない。
このバンドもDrはOmar Hakimで、Tony Williamsほどではないにしろ、やはり千手観音系のドラムです。ベースはどっちともロンカーターだし。
僕はピアノトリオのドラムは、手が片方ないんじゃないか?くらいに抑えたソロやバッキングをするようなのが、聴きやすくて好きです。
ジャケ裏にDon Friedmanの近影が載っているのですが、フリードマンさんはどことなく温水さんに似ているように思いました。
それから、表ジャケ・ウラジャケ、綺麗ですよね。