前回に引き続き、狂った情熱を持った男シリーズ。
ウルトラマラソンに挑む知人がいるのだが、実際何がいいんだろうかと思っていた。
100kmとか150kmとかならわかるけど*1、その人、去年、青森から下関まで1500kmくらい連続して走ってるんだよね*2。
すげーなー、一体なんでこういう困難に立ち向かうんだろう。
この本はアメリカで、昼はビジネスマン、オフタイムは狂ったように走るギリシア人。
この本は、その人の、独白記録。
(自分で執筆したのか、聞き書きなのかはわからないけど、聞き書きっぽい口語体)
日本人は「精神論」に偏りすぎだっていうけど、アメリカにもガッチガチの精神論のコーチはいるんだなあと思った。
「気持ちがよかったのか…」彼(コーチ)はクリント・イーストウッドのように眼を細めて、僕をじっと見た。
「じゃあ、君の頑張りが足りなかったということだ。本当に頑張ったのなら、死ぬほど苦しいはずだから」
・ハートで走れ!
・ランニングは面白いし、ランニングによって「元気が出る」のは本当だ。だが、ランニングが「楽しい」ということはない。
・50マイル走るよりも100マイル走る方がしんどいし、しんどくなくなる、なんてことはない。苦痛はどんどんひどくなる。
割とパワーワードのオンパレード。
まあしかしウルトラマラソンで食ってけるわけじゃなので、この人は昼間は敏腕ビジネスマンをやっているのも面白かった。
さぞかしスーツの似合う体型なんだろうとは思う。
あんまりレース後がしんどくて、会社から貸与されたレクサスの車内にゲロをぶちまけてしまったエピソードなどを嬉しそうに
語っているのだが、いや面白いポイントそこじゃないだろ。あんたの生活の残りのほとんどの方が面白すぎるだろ、とは思った。
結局読んでみても、なぜ人がウルトラマラソンに挑むのかは、よくわからなかった。
多分中毒とかそういうやつなんでしょうけど。*3