座右の書を「人間通」から切り替えないといけないのかもしれないなあ。
私は、自分というものがよくわからない。
サイコパスなんじゃないかと思うときもあるし*1、ADHD、発達障害スペクトラムもあるのかもなあとも思う。家系的にも精神疾患の輩出率も高いし、その反面高偏差値知的職業の者も多い。
そのせいで、苦しむこともある。
しかし普通の人には難しいことが簡単だったりすることもある。
いずれにしろ、自分にとって人間は、努力して初めて理解できるブラックボックスのような存在で、そういうよくわからない存在が跳梁跋扈する人間の社会というものは、自分にとってますますわからない。
もっとも、大方の人間がそういう感覚は持っているとは思うけれどね。
人間は、一筋縄でいかない。
そんな自分にとって、人間理解の端緒になるテキストは、大体こういうものだった。
この辺が私が何度も読み返すもの。
大人になると、これに、マキャベリ「君主論」「孫子」「韓非子」あたりが加わった。
私の人間理解の原点であると思う。
今回、しかしこの『権力に翻弄されないための48の法則』を読んでみたが、これはそういう系譜に連なる本だと思った。
なかなか面白い。
すべての人間関係は「パワー」の力動線で解説できる。
その御し方がわかったら、最強じゃね?という本。
分量も多いし、読むのに骨が折れる。
二度三度読み返しても損はないようには思った。
一章が、法則、その法則に背いたらどうなるか(歴史的な逸話)解説、法則に従った場合、例外と限界、という形で、一つの法則だけでもかなり分量がある。
脂っこいエピソード満載だし、人間関係の面倒臭さに辟易もする。
が、どうしたって我々凡人はお互いの口臭のような人格の癖に辟易としながらも、狭い場所で顔つき合わせて生きていかなきゃならん。
どうせその状況であるなら、その状況の中でうまく生きる知恵をつけた方がいいだろうと思う。
そうでなければ、方丈記の作者のように草庵に隠遁するしかない。
それはそれでさっぱりしていいかもしれないが、私自身はまだまだ人恋しい俗人なので、こういう本を読んで脂っこく生きるしかないのだろうと思う。
何度も出てくる、フランスの政治家タレーランの「食えなさ」にかなり魅力を感じた。
はい、私はタレーランに共感するタイプの人間です。