半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『ミライの授業』瀧本哲史

オススメ度 95点
元気でたー 度 100点

ミライの授業

ミライの授業

実は僕は同時代人でありながら、瀧本哲史さんをリアルタイムであまりフォローできていない。
2019年に47歳の若さで急逝されたが、この世代の旗手の一人といってもいい存在のはずだ。

やったこと、言ったことも含めて、もっと注目すべきだったとは思う(が、私もすべての有名人の言説に知悉しているわけではないんで…)
若すぎる死ではあるが、かれの足跡はいずれ精緻に振り返られることになるだろう。
それとも有為な人材はほとんどが著作を残し、また変革のスピードの早い現代においては、彼の足跡は10年も経つと凡百の中に埋もれ忘れ去られてしまうのだろうか。

これは瀧本氏が14歳にむけて書いた本。
わかりやすく、そして未来に向けて、少年少女たちを勇気づけるような内容の本。

・仕事のコモディティ化
・仕事をしなくてもいい時代になる
・未来はつくることができる
・ミライの技術は昔の人にとっては「魔法」のようなもの
・学校は未来と希望の工場
・たった一人でも世界をひっくり返すことはできる
・中学時代の成績なんてほとんど関係ない
・思い込み(「フランシス・ベーオンの「4つのイドラ」)
・問題解決ではく問題発見が大事
・エリートほど思い込みの罠にはまりやすい。コトを疑おう。
・仮説を立てて、空白の地図に旅に出よう
・ルールを作ることができれば、世の中は変わる。自分の「おもい」を形にかえることができれば、それは新しい世界のルールになるかもしれない
・目立つ人だけが主役ではない。それぞれに自分のなすべき役割がある。変革者の背後には影の主役たちがいる。
・変革者はいつも新人である

という割と元気のでる原則を、各章にすばらしい先達の例(サッチャーの夫、緒方貞子ニュートン、J.K.ローリング、伊能忠敬嘉納治五郎など多彩)をとりあげ、人が「事を為す」時に大事なことは何かを感じられるようにわかりやすく紹介している。

子供向けでもあるが、自己啓発という意味でもすばらしく、読んでいて元気がでるポジティブな本だ。
ただ、ポイントとなるところにすでに蛍光ペンのようなマーキングが施されていて、自分でマーキングをする楽しみがないのはやや残念。
その辺は、ちょっと親切すぎるのじゃないか、とも思ったが、親切って、過ぎるくらいでちょうどいいのかもしれない。
巻末には参考になる本の紹介もあったりして、この辺りもお役立ち度が高いとは思う。

ただ、冒頭、いきなり「グローバル時代だ。いまや世界は一つだ」と高らかに新世代をことほいでいるのだが、2020年の現実の世界はコロナでズタズタである。グローバルで開かれた世界に、果たしてこの先戻るのであろうか……