オススメ度 70点
曲もスタンダード度 100点
- アーティスト:ミシェル・ルグラン
- 発売日: 1997/12/03
- メディア: CD
私の書斎は2012年に引っ越しして以来、一度もきちんと片付いたことがない。書庫というか、物置というか、とにかく人様には言えないようなだめな感じなのである。
そんな私も、コロナウイルスがらみで、出張や夜の会合がほぼなくなり、家にいることが多くなった。
自室のスペースがあってよかったと心の底から思っている毎日だが、それにしても片付けをしないと、快適に暮らすことはできない。
そんなこんなで、積み上げていた書類の束を発掘し、捨てる(お気づきだろうが、置いてあるもののほとんどは処分可能なのである。重要な資料も3年置いておいて使わないものは、まず情報としては腐り果てて価値がなくなるからだ)作業を繰り返しているのが毎晩のこと。
そうすると積んでいた書類の束の中にこのCDがあった。
Macの中にリッピングもしていなかったようなので、この度取り上げて聴いてみる。
何年前のものかわからないけど、多分一年くらい前だと思う。
Amazonの購入履歴にもなかったので、多分東京出張の際にDisk Unionでまとめがいしたものの一つだと思う。
1958年の作品。
1958年のJazzと言えば、 Sonny Clarkの " Cool Struttin'"や Blakeyの"Moanin'"、John Coltrane "Blue Train”、Cannonball Adderley "Somethin' Else"。
超名盤が目白押しに発売されている時期だ。
このアルバムは、どちらかというとミドル編成のアレンジ重視のタイプ。
リュクスな商業音楽、という感じ。
フランスの(当時)新進気鋭のミュージシャン ミシェル・ルグランが、新婚旅行をかねて渡米し、ついでに作ったリーダ作、ということらしい。
ルグランは指揮とアレンジに徹し、とにかく今にしてみると超有名どころのミュージシャンが名前を連ねている。
多分、結構金かかっている。
ミュージシャンたちにとっては「ごっつぁん仕事」だったのではないかと想像するが、そのギャラが何グラムの麻薬・コカインになったのかは、今では知る人もいないだろう。
アレンジはこのあとのロック・エイジ、電気音楽が始まって生じるサウンドの多様性を考えると、斬新とまで言えない。
緻密にパズルのピースを埋めていく感じは、良質の前時代音楽感がある。
まあ、端的にいって、ミュージシャンは黒人白人いろいろだが、サウンドは白っぽいと思う。
雰囲気としては、Art Farmerの "Brass Shout"にやや似ている。
アレンジの語法は違えど、中編成という点ではね*1
トロンボーンは、Eddie Bertと Jimmy Clevelandが参加していて、端正なBopishなソロを曲中で披露している。
*1:こちらは1959年