半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

類家心平 4 "Sector b"

Sector b

Sector b

 最近、国内ジャズのCDといえば、地方にも来てくれるミュージシャンが手売りで持ってきてくれるものを買う、という購入パターンがほとんどだったんです。ナマの演奏を聞けるしCDに思い出も付与されるので、それはそれで非常にいいんですけれども、小規模のジャズクラブに来てくれるミュージシャンの音楽にしか触れない、というのもどうかと思うの。
 それで、雑誌とかみて、今これが押し出しですー的なこれを買ったんです。

 多弁なプロデューサー菊地成孔は、すぐマーケティングの種明かしとかしてくれるから好きさ。
たとえば、これなど→
http://webdacapo.magazineworld.jp/culture/music/62313/

 ま、それでそういうウェブサーチャーに「わかった気」にさせて、購買欲をそそる、という、これは二重の罠なのかもしれません。
 一見わかりやすげな言説にこそ、裏がある、ということをよくこの人はいいますよね。

 ジャケットは、いかにも「ワイルド系、汗がパルファム」的な風貌の類家氏の近影。
 で、内容は、いわゆるメインストリーム・ジャズではないやつ。しごくイマドキのまっとうな演奏。

 マーケット、というのを見据えてCDを作ると、こういう感じになるんだなあ。

 とはいえ、いわゆるマスプロダクトではなく、ハイアートだけども、採算が取れるレベルでの作りこみ方です。
 たとえば 演奏についても、基本的にもうちょっと濃厚でどろどろたりえるけれども、削いで削いで、消費する側が、受け取りやすいレベルに歩み寄らせている。削ってわかりやすくするのがプロデューサー菊地の仕事で、演奏している当人は一切媚びない、みたいな感じ。
 なるほど、菊地プロデュースっていうことを冠する意味は、確かにあると思う。このあたりは結構高度な資本主義社会の高度な計算の片鱗が垣間見られ、さすがだなあと思います。

 ええと、演奏内容は…
 マークXのCFで、にやりと笑う「部長、あの笑顔は……ずるいです」でおなじみの佐藤浩一が、CF中、カーステレオで聴いている音楽は、こんな感じか、って感じのサウンド

 こういうの聴くと、自分もかっこいい音楽やってモテたいなあと思います。
 モテたい病こじらせて、気がつくと37ですよ。
 今年で38、しっとるけのけですよ(大体今の若い子これしらんし)。