半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

時給思考

オススメ度 80点
自己啓発アオラレ度 80点

時給ベースで業務を考える、というのは、最近の経営手法としては「はやり」でもある。
残業とか、そういうのも含めて生産性を定量化したり、働き方改革の「同一労働同一賃金」の考えを延長すれば、部門ごとに、人件費をとりまとめ、収益と比較すると、部門別の生産性がまるわかりになるからだ。

その辺は、最近のメインのBlogでも取り上げてはみた。
hanjukudoctor.hatenablog.com


ただ、この本は、そういう組織レベルの話ではなくて、個人向けの話。
個人のキャリアプランとかそういう観点でも、時給をベースに考えたらどうか?というお話。

タイムイズマネーではなく、タイムイズライフ 時間がすべて

とか、容赦ない煽りを入れてくるこの本。自己啓発度としてはかなりに酒精度が高いとは思う。


確かに、自分の価値を「これくらいの給料もらっているから自分はこれくらいの価値だ」と考えたら、絶対に起業などできない。
多分、この本の提唱する時給ベースで思考する方法のよいところは、自分がどれくらい稼げるかを良くも悪くも露わにし、現実を直視できることだと思う。

最低限必要な時間、達成のための時間、楽しむ時間、無駄な時間の4つのうち、無駄な時間を削るだけでも、随分効率化はできるとは思うね。という話。

で、時給思考で考えると、
・通勤時間は無駄ですよ。
・残業も無駄ですよ。
となる。残業による給与の増分よりも、ダブルワークの方がいいんじゃないかと。

・仕事の質ではなく、仕事の種類で時給は決まる。
・時給が高い人は、ビジネスオーナーか投資家。つまり他人に働いてもらったり、自分のやっていることを他人に教える人。
・1.5流のスキルを二つ身につけましょう(一つのスキルを一流まで持っていくのは時間効率が悪いから)
・10のやることがあったら、本当に重要な2個のことしかやらない。
・目標は、2倍ではなく10倍を目指す。
・給与でもらっているうちは自分がやった分のお金はもらえない
・年収300万円の人は月給思考、年収1000万の人は年収思考、一億の人は時給思考。
・できない人ほどオリジナリティに固執する(時給思考の人はカンニングの天才)

 本のすべてを出してもいけないので、これくらいにしておく。
 うん。まあ、わかる。僕もこの手の本読みまくっているから、内容としては妥当だし、そうだと思うよな。
 少なくとも、給与生活者の人はこういうのは読んでおくと、全く異質なコンセプトに気圧されるかもしれないけど、確かに真実は突いてるよね。

ただし、この考えを身につけた人が必ず成功できるわけでもないし、こういう効率性の話は、
ミヒャエル・エンデが『モモ』で喝破した世界そのものだ。

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

そう、時間泥棒ね。