オススメ度 90点
あとにしてみれば、この人の原作、無理のあるお話まあまああったけど度 80点
- 作者: 小池一夫
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2018/08/10
- メディア: 新書
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もう後期高齢者になってTwitterとかSNSに意欲的に進出した人といえば、クライングフリーマンの原作者、小池一夫だ。
つい先日亡くなられてしまったが、若者に切れたりもせずに、上手な距離感でTwitterをしていたことを思い出す。
現代の大人は子供っぽい。もっと成熟した大人の考えをしましょうよ、ということを淡々と(この淡々と、というのも大人の作法だ)語る。
・人付き合いは自分が自分を正しく評価しそれを受け入れることからはじまる。
・人は自分が自分をおもうほど、自分のことを思ってはくれない
・自分を苦しめる縁など一度切ってしまえばいい。本物の縁ならば、また繋がります。一度縁を切った人は、何か気に入らないけど捨てるにはもったいないからもう一度着るかもしれないと取っておいた洋服に似ている。もう一度着てみるとやはり同じ理由でしっくりいかずに結局着ないのです。
・一見矛盾しているように感じますが「許すが忘れない、しかし受け入れる」
・一流同士は決して群れません。二流同士は慰めあいます。一流同士は競い合うのです。
・怒り方には、本性が出る、教養がでる、生まれ育ちが出る。全てが出ます。
・怒っていても、ドアは静かに閉めるのが成熟した大人
・「仕事ができる」のではなく「仕事ができるようにみられたい」という感性の人たちは意外にたくさんいます。
・人の話を雑に聞く人が、期待を上回る仕事をできたことはない
・「技術」とは心が折れたり辛苦が成功に繋がらないときにでも、ある一定以上の仕事を維持することができるということです。
・あの時の自分にできたことができなくなる」という覚悟と、「あの時に自分はあれだけのことができた」という自信。成熟した大人の仕事とは、この二律背反を受け入れること
・あなたを大切にしない人を、あなたが大切にする必要はない
・結局は自分より弱いものをどれだけ慈しみ育てられるのか、というような、自分以外の他者に愛情を注げるということが成熟した大人なのです
若い時にとがっていた人が、老成して、鋭さを隠し持ちつつ丸くなっているようです。
平易な言葉ではあるが、心に深く浸透する。
まあ、自分も老いの坂をくだりつつあるからなのかもしれない。
若い時の自分なら、もうすこし反発したものだろうか。
* * *
谷沢永一『人間通』
- 作者: 谷沢永一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/05/01
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(この本は20世紀においては私の世渡りマニュアルの中でもっとも重要なものであった)
人生の酸いも甘いもかみわけた人の言うことは、だいたい似通ってくる。
それが本質なんだろうと思う。