半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

隠居志願

隠居志願

隠居志願

多分、これもKindle日替わりセール。
新聞連載をまとめた本。
初老の筆者の、日々雑感、というていのエッセイ。
軽く読める。

長野の田舎に住んでいて、ワイナリーと農場をやっている人。
季節の草木などのイラストも本人の手で描かれたもの*1

さらっと流し読みしていたが、まだ電子書籍に移る前にこの人の「料理の四面体」とか読んだことがある。
初対面かと思っていたら、昔知ってた人、というのも趣のあることで*2

子供の頃の私は明るく快活な少年だった。
成績もよかったし、自分で言うのもなんだがそこそこイケメンだったから、女の子にもモテた。友達もたくさんいて、いつも人の輪の中にいたように記憶している。
が、心の中ではみんなと離れて一人になりたい、自分だけ違った道を歩きたいと願っていたのだろう。でも表立って異を唱える勇気はなくて、いちおうバスを追いかけはするのだった。

このくだりは、なんかムカつくな。僕も含めて大方の人が逆だっつーの。

玉村豊男Google検索をかけてみると、広大な農園、借金…みたいな物騒なキーワードばかりが並ぶ。
覚えていないけど、ブロードキャスターのコメンテーターとかもやっていたんですね。
確かに派手な世界で、十分やっていけている人なわけで、そういう意味では、長野に農園をもち、元祖田舎暮らしを実践し、俗世の交わりを薄くするというのも、人生の処し方としては、一つの見識であると思う。

それにしても、長野に住んでいながら、車の免許も持っていないという、生粋の都会人。
すげーな。

この人は真摯に人生を歩んでいるし、言っていることに嘘はないんだけれど、なかなか皆が歩めるわけではない道ではあるなあ、と思う。
でも、この「田舎ぐらし」というのは、一見「僕にもできそう」と思わせてしまう魔力があるよなあ。

*1:これ、ギャラ総取りで、結構おいしいですね、よく考えたら。

*2:このブログ、検索してみたが、残念ながら見つからなかった。こういうときには読んだ本をすべてレコードしていたら良かったのにと思う。