- 作者: 玉村豊男
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: Kindle版
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多分、これもKindle日替わりセール。
新聞連載をまとめた本。
初老の筆者の、日々雑感、というていのエッセイ。
軽く読める。
長野の田舎に住んでいて、ワイナリーと農場をやっている人。
季節の草木などのイラストも本人の手で描かれたもの*1。
さらっと流し読みしていたが、まだ電子書籍に移る前にこの人の「料理の四面体」とか読んだことがある。
初対面かと思っていたら、昔知ってた人、というのも趣のあることで*2。
子供の頃の私は明るく快活な少年だった。
成績もよかったし、自分で言うのもなんだがそこそこイケメンだったから、女の子にもモテた。友達もたくさんいて、いつも人の輪の中にいたように記憶している。
が、心の中ではみんなと離れて一人になりたい、自分だけ違った道を歩きたいと願っていたのだろう。でも表立って異を唱える勇気はなくて、いちおうバスを追いかけはするのだった。
このくだりは、なんかムカつくな。僕も含めて大方の人が逆だっつーの。
玉村豊男でGoogle検索をかけてみると、広大な農園、借金…みたいな物騒なキーワードばかりが並ぶ。
覚えていないけど、ブロードキャスターのコメンテーターとかもやっていたんですね。
確かに派手な世界で、十分やっていけている人なわけで、そういう意味では、長野に農園をもち、元祖田舎暮らしを実践し、俗世の交わりを薄くするというのも、人生の処し方としては、一つの見識であると思う。
それにしても、長野に住んでいながら、車の免許も持っていないという、生粋の都会人。
すげーな。
この人は真摯に人生を歩んでいるし、言っていることに嘘はないんだけれど、なかなか皆が歩めるわけではない道ではあるなあ、と思う。
でも、この「田舎ぐらし」というのは、一見「僕にもできそう」と思わせてしまう魔力があるよなあ。